暁の用心棒(1966)



例に違わずデタラメな邦題で、暁用心棒も出てきません

原題は「UNDOLLARO FRA I DENTI(歯で1ドル)


でもこういう知らないB級西部劇を見て

ネットで調べると面白い発見がいろいろあるのは楽しい


東和(現・東宝東和)配給による

何の関連もない用心棒シリーズの第6弾ということです

たぶん「用心棒」(1961)のリメイク

「荒野の用心棒」(1964)の人気にあやかったのでしょう


ちなみにシリーズは全11

「荒野の用心棒」「続荒野の用心棒」「真昼の用心棒」

「南から来た用心棒」

「必殺の用心棒」「暁の用心棒」「5匹の用心棒」「さいはての用心棒」

「星空の用心棒」「復讐の用心棒」「新荒野の用心棒」 




しかしこの「暁の用心棒」、欧米ではヒットして

ストレンジャー(主人公の呼び名)・シリーズとして

続編の「ストレンジャー・リターンズ」と

「サイレント・ストレンジャー」が制作されたそうです

(どちらも日本未公開・未発表)


しかも3作目は幕末の日本舞台

なんと京都に来て太秦でロケをしたそうです

幕末でマカロニウエスタン

めちゃくちゃそっちのほうが見てみたいですね(笑)




またガンマニアにとっては垂涎(すいえん)の的の1本だそうで
コルト・シングル・アクション・アーミー・リボールバーキャバリーモデル真鍮製グリップフレーム(長い・・)

アンダー・レバー・アクション有鶏頭サイド・バイ・サイド・ショットガン


WWIシュワルツローゼ重機関銃

オーストリア軍が複葉機搭載用機銃として採用したもので「続・荒野の用心棒」の棺桶の中身と同じ機関銃=時代考証はメチャクチャ)



ストーリーは、例によってアメリカとメキシコの国境に近い

山賊に占領された寒村に「よそ者」がやって来てます(笑)


「よそ物」は半々の分け前を貰う約束で山賊と共謀し

アメリカの騎兵隊が運ぶ政府の大金を横取りしますが

山賊の裏切りでリンチにあい、たった1枚の金貨だけを渡されます

それを助ける未亡人の美女


そして未亡人の死んだ夫のものと思われるショットガンで

「よそ物」の反撃が始まります

ロッコに乗って悪党を追いつめていくクライマックス

死んだ山賊のボスの口にくわえさせる1枚の金貨


ラストは金貨を自分の取り分(山賊に懸かっていた賞金)だけ引き抜き

騎兵隊に金貨を返し、またさすらいの旅に出かける「よそ者」




つむじ風の中をポンチョを着いたり

寡黙で必要なこと以外セリフがないところなど

「荒野の用心棒」を思わせる設定で

かなりイーストウッドとかぶるのですが(笑)


いかんせん主人公に魅力が感じられないのがネック

だけど本作でマカロニ初顔のトニー・アンソニー

名門のカーネギーメロン大学(世界ランキング総合24位)を卒業した

超インテリなのだそうです

そんなに真面目に見る映画ではありませんでしたが

いつかは「用心棒シリーズ」制覇してみたいものです

ある意味スゴイと思うので(笑)




【解説】allcinemaより

メキシコ盗賊団と、一匹狼の主人公は、共にアメリカから輸送される大金を狙っていた。一度は協力して金を手に入れたが、主人公は盗賊団からその金を奪い、脱走する。盗賊団と主人公の戦いをメインに展開するマカロニ・ウエスタン。