シルバー・サドル 新・復讐の用心棒(1978)




ラストでポニーにまたがってジェンマを追いかける子どもの姿に
思いがけず泣いてしまいました(笑)
いや、なかなか良かったです

最後のマカロニということ


騙されて荒れ地を買わされ、盗賊に妻を殺されてしまった男が
土地を売った富豪、バレットに抗議したところ殺されてしまいました
10歳の息子ロイはとっさに父親のライフルでバレットを背中から撃ちます
そして銀の鞍(シルバー・サドル)の馬を盗み、ひとり旅立つのです

凄腕ガンマンに成長したロイはシルバー・サドルとあだ名され
皆から恐れられていました
そしてスネークという盗賊に殺された死体から金品を盗む男と知り合います
そのスネークからバレット家の人間が墓参りをするという情報を得るのです


スネークを演じた、イーストウッド作品の常連脇役
ジェフリー・ルイスが個性的でいいです

そして王子様スタイルの子役ちゃん
姉と一緒に資産を受け継いだ大金持ちだから
身内からも、山賊からも、命を狙われることになります
この子が可愛い





ママはね、
ママはもうメロメロですよ
なんておりこうさんなのかしら
なんて機転がきくのかしら
意外と逞しいわ、なんて(笑)

こりゃあ娼館のマダムもメロメロですよ
ジェンマも宿敵の家系の子ながら
次第に情が移っていき、命を助けようとするのです

そして将来はジェンマとお姉ちゃんはくっついて
もしかしたら落ち着いた家庭を築くのではないかな、と思わせる
爽やかなラスト


そして一番の驚きが、これがルチオ・フルチ監督ということ
まさか ルチオ・フルチがこんなハートウォーミングな作品を撮れるとは
まさか ルチオ・フルチがこんなにも子役を撮るのがうまいとは
まさか ルチオ・フルチが目玉のひとつもくり抜かないとは
まさか ルチオ・フルチが・・・

子役が登場する西部劇はやはり「シェーン」(1953)が有名ですけれど
こちらも負けない面白さがあると思いました

さすが巨匠でございます



【解説】allcinemaより
流れ者のガンマンが、富豪に依頼されて賞金首の待つ墓地に向う。だが、そこに現われたのは小さな少年だった。事件に裏があると睨んだガンマンは少年をかくまうが、山賊の一団が執拗に彼らを狙う。スネークという元ガンマンを味方につけ、山賊を倒したガンマンは、富豪の屋敷に乗り込んで事件の真相を暴く。少年は富豪の血縁で、彼に遺産が相続されるのを防ぐため殺そうとしていたのだった。ラストで主人公が、名探偵ポアロ並の理知的で胸のすく大推理を繰り広げるのが新味。