スパルタカス(1960)

 
「政治は実利を計る仕事。欲しい物は罪人からでも買う」
 
 
クラッサス(オリヴィエ)とアントナイナス(カーティス)の
入浴シーンはない版(笑)
 
 
しかしこの作品、どこまでがアンソニー・マン監督で
どこからがキューブリック監督なのでしょう?(笑)
違いがわからない私は、まだまだ未熟者、勉強不足です。
 
脚本は赤狩り真っ最中のダルトン・トランボ
でもキューブリック監督とダグラスが
それぞれ都合よく書き直したらしいけれど(ヤレヤレ)
 
また撮影後にはトランボが修正案を出し
戦闘シーンを撮りなおしたとか(ヤレヤレ×2)
 
ローマ時代に奴隷反乱を指揮した
剣闘奴隷スパルタカスの愛と戦いの物語。
 
私は面白かったですよ。
映画自体がいろいろな思惑が絡み、ゴチャゴチャした感じが
ある意味、政治的にも(映画界的にも)通じているみたいで(笑)
 
権力をもつローマ帝国側を
と名高いイギリス俳優たち。
 
一方の奴隷側を
主演のカーク・ダグラスはじめ
というハリウッド・スター。
ジーン・シモンズは違うけど。でも、描かれ方も違うけど)
配役にさえ何か意図的なものを感じますよね。
 
映画好きが製作の舞台裏をあれこれ妄想するのには
ぴったりな名作だと思います(笑)
 
 
 
そしてこの映画の最も大きな功績
それはビル・エバンスが「スパルタカス 愛のテーマ」を
いくつも奏でたこと(笑)
 
ビル・エバンスのピアノの音色って
夜空から星が降ってくるように綺麗・・・
 
 
 

 
【解説】allcinemaより
 ローマ帝国時代、将軍クラサスに叛乱軍を組織して立ち上がった奴隷スパルタカスの物語をスタンリー・キューブリックが映画化したスペクタクル巨編。奴隷のスパルタカスは商人バタイアタスに買われ、剣闘士としての訓練を受けていた。ある日、ローマの大物クラサスが訪れ、剣闘士の真剣勝負を要請。スパルタカスと黒人のドラバは戦い、スパルタカスを仕留める寸前にドラバはクラサスに向かって槍を投げつけたため、その場で処刑されてしまう。そして好意を抱いていた女奴隷バリニアが、クラサスに見そめられ売られていくのを目撃したスパルタカスはついに怒りを爆発させる。
 いわゆるハリウッド製史劇の極北をゆく、厳しく力強い革命的な映画だ。ここで描かれるのは、単なるローマ帝国への反乱ではなく、失敗に終わるからこそ正しい“革命”の姿であるといえる。原作者ファスト、脚本家トランボ、そして製作者兼主演のダグラスの意図は明白だ。大戦は終わっても冷戦が始まり、いつ収まるとも知れぬ争いの時代に、人間の自由と尊厳の死守を訴える本作の問いかけは、現在もなお、我々に重くのしかかってくる。また、この映画のメガホンが、降板したアンソニー・マンの手からキューブリックに渡ったことも幸いだった。完璧なビジュアリストによる画面は、きわめて熱い物語を冷然と切り取って、スペクタクル・シーンにも瞬きも出来ぬ密度を作り上げている。91年の復元完全版(197分)では、カーティスとオリヴィエの同性愛をほのめかす場面などが加えられ、更に評価を高めた