第九軍団のワシ(2010)




1954年に著された原作は
長年愛され続けているベストセラーだそうです。

紀元122年、第14代のローマ帝国皇帝ハドリアヌス
原住民のブリトン人の南下を防ぐために
イングランド北部とスコットランドとの境界線に
ハドリアヌスの長城を築いた時代の物語。

土地を奪われ虐げられてきた先住民といえば
インディアンやアボリジニ、日本だったらアイヌなどは
私も知っていますが、イギリスでもそのような歴史があったのですね。
ローマに支配され、その後はゲルマン民族の大移動により
アングロサクソンによって駆逐または支配されたのです。

人間って殺しあうために誕生した生物なのかと
人の命や土地を奪うのが英雄のすることなのかと
ついつい思ってしまいます。

映画のほうのストリーは
ただただ名誉、名誉、名誉のための
男気なお話でございました。

世界最強のローマ軍第九軍団5000人が
カレドニア(現スコットランド)に進軍し消息を絶ちます。
指揮官だった父親の名誉回復と
失われた黄金のワシ(ローマ軍の名誉の象徴)を取り戻すため
カレドニアの地に旅立つローマ兵マーカスと奴隷のエスカ。

命を助けられた恩義から
マーカスに忠誠を果たすエスカが律儀なんですね。
やがてアザラシ族から黄金のワシを取り戻し
ふたりは硬い友情で結ばれていきます。

エスカを演じたのは「リトル・ダンサー」の男の子ジェイミー・ベル
なんか、いつかクルっと回って
タラリラ~とダンスでもするんじゃないかと
途中でどうしようもない妄想に憑りつかれてしまって。笑

原作が児童書ということなので
戦記物やコスプレ史劇好き男子にはいいかもしれませんね。
イギリス北部の寒さを感じさせるような撮影も美しいですし。

ただ「名誉」という言葉にあまり共感ができないためか
盛り上がりはさほどございませんでした。



【解説】allcinemaより
ローズマリ・サトクリフの同名ベストセラーを「ラストキング・オブ・スコットランド」「消されたヘッドライン」のケヴィン・マクドナルド監督で映画化した歴史ミステリー・ドラマ。ローマ帝国支配下ブリテン島を舞台に、戦傷で軍人生命を絶たれた主人公が、奴隷の青年を従え、父の汚名をそそぐべく第九軍団失踪の謎を解き明かす危険な旅に出る姿を雄大な風景をバックに描く。主演は「G.I.ジョー」「親愛なるきみへ」のチャニング・テイタムと「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル
 西暦120年、名将フラビウス・アクイラに率いられ、カレドニア(現在のスコットランド)を目指して北進していた第九軍団の兵士5000名。ところが、ローマ軍最強といわれた彼らが、名誉の象徴である黄金のワシとともに忽然と消息を絶ってしまう。それから20年。アクイラの息子マーカスは戦闘で足を負傷し名誉除隊を余儀なくされる。失意の中、ブリテン島北端の神殿にワシがあるとの噂を耳にしたマーカスは、ワシを取り戻し父の汚名をそそぐべく、忠実な奴隷エスカを伴い、危険な北の荒野へと旅立つのだったが…。