飾りはないけれど良質、そんな大人の西部劇。
レッドフォード自身、自分の主演作の中で
一番好きな作品と言ってるそうです。
でも当時は製作費があまりなく
シドニー・ポラック監督はレッドフォードの家に
寝泊まりしながら撮影していたとか(笑)
そのポラック監督からの恩返しかどうかわかりませんが(笑)
この作品のあともポラック×レッドフォードで
いくつも名作を残していますね。
自分だけの世界を求める「マウンテンマン」の物語。
全てに嫌気がさし、世俗から離れ
山の中で狩猟生活を決意するジェレミア・ジョンソン。
しかし山中でも、狩人やインディアンたちとの
かかわりをもっていかなければ生きていけませんでした。
未開の地とはいえ、すでに暮らしている先人たちがいるのです。
ジョンソンは猟師として成長していくなかで
狂った女には口のきけない少年を押し付けられ
インディアンからは娘を贈られてしまいます。
言葉の通じ合わない3人。
やがて安住の地を見つけて、家を建て、家族らしい生活を送る。
そしてお互いに愛情が芽生えていきます。
穏やかな日々を送っていたジョンソンのもとに
ある日軍隊時代の仲間と宣教師が山の案内を頼みにやってきます。
ああ、どんなに時間がかかっても遠回りすればよかったのに。
なぜ促されるまま自然の掟を破ってしまったのか・・
この作品で一番の悪人はこの宣教師のような気がします。
正義だ、人助けだと、報復の戦いを生み出す元凶。
ジョンソンは優しい男なのでしょう。
頼まれると断り切れない
でも大切なものを失ったその時から彼は変わります。
文明をすべて捨て、本物の自然世界で生きる者となっていく。
復讐の先に何もないことを知るのに25年。
最後は和解出来てよかったですね。
【解説】allcinemaより