大いなる勇者(1972)




飾りはないけれど良質、そんな大人の西部劇。
レッドフォード自身、自分の主演作の中で
一番好きな作品と言ってるそうです。

でも当時は製作費があまりなく
シドニー・ポラック監督はレッドフォードの家に
寝泊まりしながら撮影していたとか(笑)

そのポラック監督からの恩返しかどうかわかりませんが(笑)
この作品のあともポラック×レッドフォードで
いくつも名作を残していますね。

自分だけの世界を求める「マウンテンマン」の物語。

全てに嫌気がさし、世俗から離れ
山の中で狩猟生活を決意するジェレミア・ジョンソン。

しかし山中でも、狩人やインディアンたちとの
かかわりをもっていかなければ生きていけませんでした。
未開の地とはいえ、すでに暮らしている先人たちがいるのです。

ジョンソンは猟師として成長していくなかで
狂った女には口のきけない少年を押し付けられ
インディアンからは娘を贈られてしまいます。

言葉の通じ合わない3人。
やがて安住の地を見つけて、家を建て、家族らしい生活を送る。
そしてお互いに愛情が芽生えていきます。

穏やかな日々を送っていたジョンソンのもとに
ある日軍隊時代の仲間と宣教師が山の案内を頼みにやってきます。

ああ、どんなに時間がかかっても遠回りすればよかったのに。
なぜ促されるまま自然の掟を破ってしまったのか・・

この作品で一番の悪人はこの宣教師のような気がします。
正義だ、人助けだと、報復の戦いを生み出す元凶。

ジョンソンは優しい男なのでしょう。
頼まれると断り切れない

でも大切なものを失ったその時から彼は変わります。
文明をすべて捨て、本物の自然世界で生きる者となっていく。

復讐の先に何もないことを知るのに25年。
最後は和解出来てよかったですね。



【解説】allcinemaより
1850年代の西部を舞台に、ロッキー山中で猟師となる事を決意した男ジェレマイア・ジョンソンの苦闘の日々を描く。大自然の猛威やインディアンの襲撃も乗り越え、たった一人で戦い続けるジョンソンにやがて家族らしきものができていく……。雄大大自然をバックに、自然と人間の調和、人間と人間の調和を静かに説いた傑作。