モホークの太鼓(1939)




ジョン・フォード監督初のカラー作品ということで有名だそうです。
本当にマットなカラーが色鮮やかで綺麗な映像ですね。

ヘンリーフォンダよりクレジットが上で
当時の彼女の人気をうかがわせます。

左側からしか顔を撮影させなかったことで有名。
巨匠ジョン・フォードもドル箱女優に従ったのでしょうか?
そんなことを考えて鑑賞してしまいます。

独立派が英国軍に勝利しアメリカ国が誕生するまでを
夫婦の愛を軸に描いた物語。

お金持ちのお嬢様ラナと開拓者の青年ギルとの結婚。
夢と希望に溢れ、どんな苦労も乗り越えられると信じています。
でも現実はとても厳しいものでした。

ボロの丸太小屋、先住民、過酷な農作業
そして独立派と英国軍の戦いに巻き込まれていきます。

下記の解説にもあるように、ギルとラナを雇う
農場主のマクナレー夫人が好人物。
攻めてきたインディアンに命令する場面など
怖いモノ知らずのサバサバした性格が心地よい。

ただ、悪い作品ではないのですが
ストリーの盛り上がりはさほどありませんでした。
たぶん、カラー制作のほうに重点が置かれた作品なのだと思います。



【解説】allcinemaより
 本邦初演の時はモノクロ公開で、そのためフリッツ・ラングの「西部魂」ともども大いに割を喰ったと言われる、J・フォード初のカラー作品。B・グレノンとR・レナハンのテクニカラー撮影はそれこそ本作最大の眼目で、フォードにしては演出に締まりのない部分もあるが、眩い色彩に目を奪われているうちに忘れてしまう。独立戦争勃発の1776年、NY州オルバニーで式を挙げ、夫の開拓したモホーク渓谷の農場に下ったギルとラナのマーティン夫妻。妻は初めこそ理想と現実のギャップに悩んでホーム・シックになったが、温かい周囲の人々の援助もあって、懸命に開墾に精を出すうち逞しくなる。当地にも戦争の影響は届き、英軍に雇われたインディアンが度々彼らや近くの集落のジャーマン・フラットを襲った(首謀者コールドウェルをアイパッチのJ・キャラダインが演じ、不気味に印象的)。ギルたちの家も焼かれ、一旦、二人は夫婦してマクレナー夫人(まさにフォードその人のごとく竹を割ったような気性の好人物をE・M・オリヴァーが快演。本作最良の収穫だ)の農場に雇われる。そして、最初の出征。多くの犠牲者を出しながら勝利を納めたが、彼らの襲撃は止まらなかった。そんな中にも、以前の流産の悲しみを乗り越え男児を出産したラナ。その喜びの時を前にひたすらうろたえるギルの描写がさすがにフォード、実にうまい。やがて、町を挙げての戦いの火蓋が切って落とされた……。ギルが伝令となって援軍が来る辺りの描写は単調だが、戦闘シーンは凄まじい迫力。が、それより、開拓者夫婦の愛情劇としてみるものが多い。