「親愛なる兄弟姉妹のみなさん。
いわゆる大人の世界であれば理解されているのかもしれませんが
私たち子供にはわかりません。
なぜ「強い」といわれる国々は、戦争を生み出す力がとてもあるのに、
平和をもたらすことにかけては弱いのでしょうか。
なぜ、銃を与えることはとても簡単なのに、
本を与えることはとても難しいのでしょうか。
なぜ戦車をつくることはとても簡単で、
学校を建てることはとても難しいのでしょうか。」
ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんのスピーチ
とても素晴らしく感動的でした。
彼女の言葉はなぜこんなにも人の心に届くのでしょう。
平和と教育の権利を願う気持ちが本当に伝わってきます。
そして彼女は悲惨な過去や現在を嘆き悲しむだけでなく
よりよい未来を実現するために努力しているのです。
戦争の傷跡は何十年、何百年、何千年つきまとうのです。
私たちもマララさんの言葉に学び
平和な世界を、未来を築き上げようという
そんな気持ちをもちたいですね。
「生きるというのはタイヘンな事で
生き残った人達も含め人は皆
ただ前を向いて懸命に生きているだけです」
期待も膨らむわけですが、私的にはちょっと違いました。
その理由のひとつが木村さんのどの作品でも素晴らしいカメラが
いまいち冴えていない気がしたからです。
降旗監督の作品は木村さんの撮影があってこそではないですか!
なのに、あの特攻隊のチープな航空シーンなどよく許したなと。
(ごめんなさい。笑)
ヒロインの若い女優さんのヒドイ演技にも閉口でした。
芸能界もいろいろな事情があるのでしょう、たぶん。
戦争で死んだ仲間が、ホタルに姿を変えて戻ってくる・・
そういうファンタジックな世界は好みでしたけど。
死んでも、亡霊でも、夢でも、思いこみでいいから逢いたい・・・
そんな人は私もいますもの。
鹿児島で漁師をする山岡と妻の知子は
とても仲の良い熟年夫婦。
山岡は戦争中特攻隊員でした。
そして知子は特攻隊で亡くなった親友、金山の許嫁でした。
金山は日本軍の朝鮮人少尉でした。
戦時中特攻隊員の面倒を見ていた「特攻隊のおかあさん」冨子は
金山の遺品を韓国の遺族に渡してほしいと山岡に頼みます。
日本の為に散った特攻隊だという理由で韓国政府の協力が得られず
韓国に住む遺族に遺骨を返すことが出来ないことが
年老いた冨子には心残りだったのです。
韓国に金山の遺品を届けに行く山岡。
しかし金山の家族から「日本人のおまえは生き残ったのか」と
強く罵られてしまいます。
金山はなぜ日本人女性と恋に落ち結婚する約束をすることになったのか
なぜ韓国に家族を残しているのに特攻隊に志願したのか
(特攻隊は志願制だったらしいです)
そのところを物語の中でもっと伝えられていると
わかりやすい作品になったかも知れません。
これだと、ただいかに韓国人が日本人を憎んでいるか
それだけを象徴しているだけになってしまいます。
憎むには憎む、それだけの理由があるはず。
その部分が抜け落ちているのでわかりにくかったですね。
戦争の痛みはどの国にもあるはずなのだから。
お互いを思いやる熟年夫婦には微笑ましいものがありましたが
ちょっとウヤムヤな気持ちになってしまう作品でした。
憎しみを伝えることだけが、一番大切なことなのでしょうか。
もっと自由な想いがあっていいはず。
未来のために出来ることをしたい・・
そんな若く希望に溢れたタママさんの言葉が胸に沁みます。
【解説】allcinemaより