ミラージュ(2007)


 
 
未公開でチリ映画、自分でチョイスして見るような作品ではありませんが
たまたまGyaoで鑑賞したらこれは掘り出し物でした。
アプローチは「タクシードライバー」のような感じなのですが
こちらの冴えなくて純情な主人公のほうが好感がもてます。
 
用心棒の仕事をしている空手マニアのマコ。
彼は通りがかりに強盗に襲われレイプされそうな女性を助けます。
その女性はテレビのニュースキャスター、カロルでした。
テレビで彼こそ真のヒーローだと大々的に放映され
入院しているマコの弟はそのヒーロー登場のニュースを見て
元気を取り戻して行きます。
 
弟に回復してもらいたいマコは
自らをミラージュマンと名乗り自警活動に目覚めます。
ここらへんのマコがすごく可愛い。
ヒーローらしい洋服を組み合わせる
そのセンスのなさといったら!
 
ひったくり集団を退治するも
コスチュームのダサさをニュースでまで指摘されます。
ちょっと落ち込んでしまうマコ。
 
そこで弟のイラストをもとにコスチュームを手づくり。
指先の器用さには感心ですね。
出来上がった衣装がカッコイイとは、やはり言えませんでしたが。笑
 
着替えるのも走るのも人間のスピード。
モタモタ感がいっぱいです、それがかえってハラハラしますね。
でも格闘アクションは逸品、ホンモノ感があるだけに迫力あります。
 
偽ロビンという相棒?もできます。
微妙で頼りないけれど、でも気持ちは立派ですね。
中途半端な扱いもリアルで。笑
 
やがてマスコミの餌食になり
警察にも利用されてしまうマコ。
ただ弟に元気になってほしかっただけなのに。
 
身体ひとつで悪人を倒してきたマコ。
しかし最後の戦いでマコは初めて武器を手にします。
そして幼児誘拐組織集団へと乗り込みます。
それはマコにとっての復讐でもありました。
 
終盤は切ないですね・・
だんだんとボロボロになっていく肉体。
残酷な虐殺が繰り広げられます。
 
ラスト近くに流れる音楽もいいですね。
感涙ものです。
 
チープ感いっぱいのB級アクション映画。
でもこの純朴なボンクラヒーローを応援せずにはいられません。
 
曲はボウイのグラムロックエラの初期のもの。
この名曲を聴けただけでもう
お気に入りにINしてもOKでしょう。笑
 


 
くすんだ髪の女の子にとって
それはとてもくだらない集まり
 
ママは行くなって言うし
パパは行けと言う

でも友達はどこにもいないし
ぶらぶらと暗い妄想をしていった

いちばんいい席に座って銀幕に目を奪われた
でもその映画はおそろしいほど退屈
何十回も同じことを繰り返しているみたい
この映画を作ったバカの目に
ツバを吐いてやりたい
 
ダンスホール海兵隊がケンカをしている
あの野蛮なやつらはどこへ行くの
 
いかれたショーにだよ

警備員が関係ないやつを殴ってる
分かってるのかな
 
ねえ彼は
自分が大当たりのショーの中にいるって
知ってるのかな
火星にも人生はあるのかな
 

 
【解説】allcinemaより
チリ発の爽快アクション。本作で監督・脚本を務めたエルネスト・ディアス=エスピノーサと、主演のマルコ・サロールは、2009年公開の「愛と復讐のマンドリル」でもタッグを組んだ。
 マルコはかつて、強盗に襲われ両親を惨殺された。唯一の家族である弟・チトは、その時のショックで心を閉ざし、入院療養を強いられている。生活費と弟の治療費を稼ぐため、クラブの用心棒として働くマルコは、クラブのオーナーの嫌がらせに耐えながら、毎日黙々とトレーニングを続けていた。ある日、マルコはジョギング中に通りすがった邸宅に強盗団が押し入る現場に遭遇する。とっさに強盗のマスクを奪って顔を覆い強盗団を退治、襲われていた住人の女性を救った。顔を隠したまま立ち去ったマルコだが、次の日のワイドショーでは、覆面ヒーローが強盗を退治したというニュースで大騒ぎ。チトもニュースを見て大喜びし、覆面ヒーローの真似をして少しずつ明るさを取り戻してゆく。弟の様子を見たマルコはお手製の覆面をかぶって“ミラージュマン”と名乗り、悪者たちと戦い続けることを決意するのだが…。