さすらいの一匹狼(1966)



原題はPeril gusto di uccidere殺人の味


監督レオーネの弟子だったトニーノ・ヴァレリですが

レオーネのような大作というより娯楽性を重視した作風で

主題歌も粋で作品と見事にマッチしています




主人公ランキー・フェローは銀行から輸送中の金が盗賊に襲われた時

その金を護衛して報償金を得るという賞金稼


しかも悪党の悪事をわざと見過ごし、賞金が上がった頃に

望遠スコープを仕込んだウインチェスター風のライフルで

遠距離から狙い撃ちする、百発百中の凄腕ガンマン




テキサスとメキシコの国境に近い小さな町オマハにある銀行に

サンチョス一味に盗まれた金を奪い返し届けに行きます

しかしランキーの本当の目的は弟を殺した賞金首

ガス・ケネベックを探し復讐することでした


そんな彼に銀行の頭取のアーロンと、金鉱の持ち主で富豪コリンズは

銀行に預けた金塊を護衛したなら1万ドル出すという提案をします

そしてその金塊を奪うためにガスの一味がやってきます




金鉱で働くコリンズの部下(堅気)と、ガスは元仲間で
堅気の娘がさらわれ、でもガス一味の見張り役とは恋仲


一方ガスには町に愛人と息子がいて

その息子をランキーが誘拐


コリンズに金鉱山の権利を奪われた

じいさんも登場(コメディ・リリーフね)




悪役だけでなく、主人公にも、銀行家にも

正義が感じられないので

まったくもって善悪がはっきりしません

そのうえギャング団が、かなりの能無しばかり(笑)


堅気のハゲの部分に熱いコーヒーをちょぴっとかける尋問や

乱暴されたらすぐ全部吐いちゃうマチェーテ

ランキーの弟の復讐もどこかにいってしまい(笑)
根性も信念も何もない



でも金塊の隠し場所が、銀行の階段というアイディアはよかった

(絶対じいさんの家の中にあると思うよね)


ガスとの戦いを終え、町を出るランキーも

さすがひたすら金の亡者の主人公、黙って立ち去るわけはなく

オチはしっかり付いていました




傑作とは言えないけれど、88分でさっくり見る娯楽作で

見ようによって主演ふたりは、かなりイケメンでした




【あらすじ】ウィキペディアより

南北戦争のさなか、オマハの町。賞金稼ぎのフェローは、銀行家アーロンの依頼により強盗団サンチェスを退治。いったん報酬を受け取るが、有力者コリンズが別の仕事を持ち込んだため一時預かりとなる。コリンズが依頼した仕事は金の延べ棒の運搬で、悪党のケネベックが狙っている可能性があった。ケネベックはフェローにとっては弟の敵でもあり、フェローは新たな標的に対し闘志を燃やす。ケネベックの手下マチュテがオマハの町の中で事件を起こし、フェローはマチュテを捕らえ拷問に掛ける。マチュテの話によればケネベックはイザベラという女性と関係があり、二人の間に息子もいるという。子供が事件に巻き込まれるのを嫌ったフェローは息子を隠す。ケネベックは仕事を開始するが、イザベラから息子がいなくなったと聞くと強盗団から離脱。強盗団の方は仕事を続行、オマハの町へ入り銃撃戦でフェローの協力者の大半を倒し、銀行へ到達。金庫の中へ入るが、フェローが爆弾を爆発させ全員が死亡。ケネベックはイザベラが息子を守れなかったことに対し激怒するが、息子は結局イザベラの許へ戻る。ケネベックはオマハの町へ戻り、フェローと対峙。手下達にフェローの背後から銃撃させ、フェローが地面に置いた大型銃を拾い上げて撃とうとするが、フェローが腰から拳銃を抜く方が早く、ケネベックは撃たれて死亡。フェローの大型銃は新式で扱いにくかったのだ。