猿の惑星(1968)


 
 
「人間は死の使いだ」
 
 
面白かったですね、シンプルだけど丁寧に作られています。
 
地球を飛び立ち1年後に不時着した惑星。
そこでは高等動物の猿が下等動物の人間を支配していました。
どうしていきなりエイリアンと英語が通じて話せるのよ?って
冒頭ではお子様向けのSFなのかと思いましたが。
ああ・・・こういうオチなんですね。
 
かなり有名なラストシーンらしいのですが
私は初見でしたので新鮮でした。
素晴らしい。
 
猿と人間であっても
たとえば人間同士であっても
優劣の立場が逆転したらどうなるのか・・
 
45年前の作品とは思えないほど近未来的。
戦争も核も温暖化も真剣に考えなければいけない
そう思ってしまいます。
 
さらにこの作品で凄いのは猿同士の中でも
チンパンジー、オランウータン、ゴリラの種族があって断絶していています。
まるで人種差別や民族紛争のようです。
 
ストリーが深いですね。
メッセージ性も高いと思います。
人間の愚かさを皮肉たっぷりに描いた傑作でしょう。
 
そういえば同年に公開されたキューブリックの「2001年宇宙の旅」にも
猿が出ていましたね。
何かつながりはあるのでしょうか?
 

 
【解説】allcinemaより
地球を飛び立った宇宙船は1年余りの宇宙航行ののち、とある惑星に不時着。乗組員のテイラーたちは沈没してしまった宇宙船をあとにし、その陸地を彷徨い歩く。そして、なんと猿人たちが人間狩りをしている驚愕の光景を目にする。この星では高等動物の猿が、口の聞けない下等動物の人間を支配していたのだ。テイラーたちも捕まり、奴隷のように理不尽な扱いを受ける。しかし、テイラーはチンパンジージーラ博士とコーネリアス博士の理解と協力を得て、同じ人間の女性ノヴァと共に逃亡、新天地を探し求めていくのだが…。
 設定のユニークさや、ショッキングなラスト・シーンが受けて本作は大ヒットとなり、4本の続編と2本のTVシリーズ(実写とアニメ)が作られた。後の作品の質の低さもあってかシリーズとしてはあまり評価されないが、1作目はロッド・サーリング&マイケル・ウィルソンの脚本(原作はピエール・ブール)、演出、音楽(ジェリー・ゴールドスミス)そして当時としては革新的なものだった猿のメイクアップ効果(ジョン・チェンバース)と、一級のスタッフの名に恥じない堂々たる娯楽大作であった事は再認識せねばならない。ビッグ・スターがSF映画に出演する契機となった作品でもある。