「犬でさえ好きなところに行けるのに シャイアンは行けない」
ジョン・フォード最後の西部劇。
監督自らの自己批判と謝罪の作品といわれています。
アカデミー賞を獲得した「ダンス・ウィズ・ウルブス」に
多大な影響を与えたことでも知られているようです。
移住させられたシャイン族。
しかし、白人からの移住時の約束は守られず
飢えやマラリアで多くのシャイン族が死にました。
彼らは居留地を脱走し、再び故郷に戻ろうとします。
そして、先住民の子どたちに文字を教えている
教師のデボラ(キャロル・ベーカー)は
彼らの旅に同行することを決意します。
残酷な白人の行為を、まるでシャイン族がしたように噂は広まります。
白人はその誇大に膨れ上がった怖い話を信じ
たった数百人のシャイン族を恐れます。
滅ぼされようとする少数民族の悲劇の語り手は
アーチャー大尉(リチャード ウィドマーク)。
正義感に溢れ、好きな女性のためには命も厭わない
一途な男の役がよかったですね。
西部劇映画への主演は、ネイティブ・アメリカンの人々の
収入源であったと聞いたことがあります。
長年にわたって西部劇を撮り続けてきた監督が、
ともに仕事をし続けてきた彼らに
友情や仲間意識を感じることは当然かもしれません。
人にはそれぞれ、人のためにできることがある
それはジョン・フォード監督にとって
映画を撮影することだったのではないでしょうか。
【解説】allcinemaより