馬上の二人(1961)


 
 
「白人ではない!俺はコマンチだ」
 
コマンチ族から、命がけで救出してきたふたりの白人。
 
コマンチ族の妻となっていた女性は、皆から白い目で見られたり
陰口を言われたり白人社会の中で疎外感に苦しみます。
また、コマンチ族に育てられた男は、英語も話せず
もとの集落に帰りたいがため白人を殺してしまいます。
彼は自分が大事にしていたオルゴールだけは覚えていました。
しかし縛り首のリンチにされてしまう・・
 
「黄色いリボン」でも、そうだった記憶がありますが
インディアンを、ただの野蛮で残酷な人種として描いていないのが
ジョン・フォード監督作品の魅力のひとつだと私は思います。
 
正義をふりかざした殺人もあれば、命は奪わなくとも中傷誹謗で人を傷つける・・
残酷さは誰しも持っているのです。
当時は興行面など、いろいろな要望があったと想像しますが
そんな中、自分の信念を作品に取り入れたことには敬意を示したくなります。
 
人間は、いつになったら、お互いの文化や考え方を尊重したり
受け入れることが出来るのでしょう・・
 
なかなかの社会派な西部劇でした。
 

 
【あらすじ】allcinemaより
主人公の保安官は、インディアンにさらわれた白人の子供を追跡していた。同行するのは彼の旧友の騎兵隊員。二人は子供を救出するが…。「捜索者」のインディアンと同化した娘のテーマを、より強く打ち出した作品。