ブラック・ライダー(1971)




シドニー・ポワチエの初監督作品として知られる
異色のウエスタンということです。

ポワチエといえば私的には「夜の大捜査線
細身のスーツで差別に耐えながらの凄腕刑事・・
そしていい男。

この当時、ポワチエといえども黒人が監督に主演
そして奴隷制がテーマという映画を作るのは
まだまだ大変な時代だったのではないでしょうか。

南北戦争直後のテキサス。
法律的には自由を獲得したはずの黒人たち。
だけれど、まだまだ奴隷扱いする白人は多くいました。

黒人をとらえようとする白人結社集団から逃れ
自分たちの生きる土地と仕事を求めて西部に向かう黒人たち。
そして彼らを追手から守り、自由の地に導こうとする
元は北軍の軍人だった案内人バック。
敵か味方かわからないけれど、なりゆきで一緒に旅する不良伝道師。

これがポワチエの味なのか
とても「平等感」が強い作品ですね。

黒人を奴隷扱いしかしない残虐な白人もいれば
ちゃんと賃金を払い労をねぎらう農場主や
法をきちんと守る保安官もいます。

黒人だって虐げられてばかりいるわけにはいかない。
場合によっては盗みもするし、相手を殺す時もある。
インディアンを利用もします。
しかしインディアンも無謀には白人と戦わない。

みんな同じ人間なのです。
家族を守りたい、少しでもいい生活がしたい。

悪くはない西部劇だと思います。
ただスッキリ系ではなかったですね。笑



【解説】allcinemaより
北軍軍曹の主人公が、黒人を引き連れて西部に新天地を求める行軍途中、巡回牧師と出会う。彼らを使役人として使おうという白人一味が襲ってくるが、主人公の一行は、牧師と共にこれを撃退する……。黒人版ビッグ・トレイルの顛末を描いたコミカルなアクション。