シドニー・ポワチエの初監督作品として知られる
異色のウエスタンということです。
細身のスーツで差別に耐えながらの凄腕刑事・・
そしていい男。
この当時、ポワチエといえども黒人が監督に主演
そして奴隷制がテーマという映画を作るのは
まだまだ大変な時代だったのではないでしょうか。
南北戦争直後のテキサス。
法律的には自由を獲得したはずの黒人たち。
だけれど、まだまだ奴隷扱いする白人は多くいました。
黒人をとらえようとする白人結社集団から逃れ
自分たちの生きる土地と仕事を求めて西部に向かう黒人たち。
そして彼らを追手から守り、自由の地に導こうとする
元は北軍の軍人だった案内人バック。
敵か味方かわからないけれど、なりゆきで一緒に旅する不良伝道師。
これがポワチエの味なのか
とても「平等感」が強い作品ですね。
黒人を奴隷扱いしかしない残虐な白人もいれば
ちゃんと賃金を払い労をねぎらう農場主や
法をきちんと守る保安官もいます。
黒人だって虐げられてばかりいるわけにはいかない。
場合によっては盗みもするし、相手を殺す時もある。
インディアンを利用もします。
しかしインディアンも無謀には白人と戦わない。
みんな同じ人間なのです。
家族を守りたい、少しでもいい生活がしたい。
悪くはない西部劇だと思います。
ただスッキリ系ではなかったですね。笑
【解説】allcinemaより
元北軍軍曹の主人公が、黒人を引き連れて西部に新天地を求める行軍途中、巡回牧師と出会う。彼らを使役人として使おうという白人一味が襲ってくるが、主人公の一行は、牧師と共にこれを撃退する……。黒人版ビッグ・トレイルの顛末を描いたコミカルなアクション。