マダムと女房(1931)


 
 
 
国産トーキーの記念すべき第1作。
 
昭和6年公開ということてすが
私的にはそれほど古臭さを感じずに鑑賞できました。
オープニングで映し出されるキャストのロゴなんて、お洒落に思えたくらいで。
当時の日本は、海外の文化や風習が庶民の中にも浸透してきた頃なのでしょうか?
 
隣の家から流れる音楽がうるさくって
仕事が手に付かない主人公の作家(渡辺篤)。
静かにしてもらうため、一言文句でも言ってやろうと訪問してみたら
美人のマダムが現れ「どうぞ、どうぞ」とおもてなし。
ノースリープのワンピースで歌にダンスを披露され
苦言するどころかすっかり上機嫌になってしまいます。
 
しかしその様子を、女房(田中絹代)が窓から見ていたのです。
かんざしを折り曲げてのやきもち。
縫い物もしていないのに、ミシンを鳴らして怒りをアピール。
しかし夫はそんな乙女心に、全く気がついてはくれません。
 
「ねぇ、あなたぁ・・私にも洋服買ってよぉ・・」
 
不機嫌な態度よりも、甘いおねだりが男性には効果的なようです。
やきもちも、ちょっとスネるくらいが可愛いのかもしれません。
(80年以上前の映画に学んだわ・・笑)
 
そしてなによりも、日本初のトーキー映画をこうして見れたということが
嬉しかったですね。
 

 
【あらすじ】yahoo!映画より
劇作家の芝野新作は、脚本を書くため静かな郊外の住宅地へ引っ越した。様々な邪魔が入り執筆が進まない上、隣の家から大音量のジャズが聞こえてきて仕事が手につかない。新作は隣家に怒鳴り込むが、その家のマダムにメロメロになってしまい、ジャズを口ずさみながら帰宅する始末。新作は順調に脚本を書き進めるのだが、妻は隣のマダムに嫉妬していた。