三等重役


 
 
 
そもそも三等重役ってナニ?ですよね。
それを知ってから、この作品を観たほうが
より理解できてよかったのではないかと思いました。
 
敗戦後、日本を占領した連合軍司令部は
戦争中に戦争に協力した多くの企業のトップを、
戦争責任があるとして、その地位から追放するよう指令したそうです。
公職追放(パージ)というらしい。)
これによって多くの経営者が会社を去り
代わりに社員から昇格した新しい社長や重役がたくさん現れました。
創業者の大株主社長が一等重役、その二代目が二等重役、
ただの社員あがりの新社長は三等重役というところなのだそうです。
そして現在の大手企業の多くにも当時、実施されたんですね。
 
南海産業社長(河村黎吉)も、そんな三等重役のひとり。
その社長の片腕となる、ぬけめないやり手の人事課長(森繁久弥)に
真面目すぎる秘書(小林桂樹)。
 
この社長が小心者で頼りないのですが、とてもお人好しな人柄が良いのです。
取引先の社長の浮気がばれそうになったら、かばってあげたり
妻に先立たれた東京出張所の田口に
お好み焼き屋の道子との結婚をまとめてやったり、
銀行頭取の息子を就職させ、女性との結婚をとりもったり。

昭和27年公開ということで、女性のほとんどが着物姿だったりはしますが
内容的に古臭さはあまり感じませんでした。
時代は変わり、世の中はハイテクになりましたが、
日本のサラリーマンの実態は
当時からあまり進化していないということなのでしょうか。
 
でも、映画って教科書では教えてくれなかった事も
いろいろ勉強になっていいものですね。
 

【あらすじ】YAHOO!映画より
南海産業の前社長だった奈良が追放されたことにより、桑原は社長の座に着いた。いわゆる“三等重役”である。奈良の社長復帰は、本人が脳溢血で倒れたため困難となってしまった。ほっと胸をなで下ろす桑原。社長夫人は新しい着物を着たいため、社内結婚奨励の回覧板を作成するなど、やりたい放題。桑原は東京へ出張することになったが、前社長が世話していたお鶴を同行しなければならなくなり、人事課長の浦島も連れて行くことにした。