クライ・マッチョ(2021)

原題も「CRY MACHO」(鳴けマッチョ=男らしく泣け)

マッチョとは男性が持つ強靭さ、勇敢さ、筋肉質な身体の例えですが

ここでは主人公のあだ名と、闘鶏の名前をかけています

ロードムービーといってもひと味違う

どちらかと言えば、人生の終盤にさしかかった老人が

安住の地を見出すまでの旅

「運び屋じゃないぞ」が笑える (笑)

御年91歳、やはり歩くのもやっとという感じで

イーストウッドが主役で演じるのも

本当にこれが最後になるかも知れませんね

ただし荒野のハイウェイを走るアメ車に、カーボーイ姿

若者に慕われ、女性からはモテモテ(笑)
イーストウッドの持つエッセンスは健在のまま

カメラはベン・デイヴィス

1978年テキサス、かってのロデオ・スター

マイク・マイロ(クリント・イーストウッド)は

落馬で引退、妻子を交通事故で亡くすという悲劇に見舞われ

競争馬の種付けと調教をしながら孤独に暮らしていました

ある日、元雇い主で友人のハワード(ドワイト・ヨアカム )から

メキシコシティ元妻のレタと暮らす

息子ラフォ( エドゥアルド・ミネット )を

5万ドルで連れ戻して欲しいと頼まれます

レタはアルコールと男に溺れ、ラフォを虐待

ラフォは家出し闘鶏に没頭していました

マイクはアメリカで牧場主をしている父親が会いたがってると説明し

最初ラフォは嫌がりますが、可愛がっている闘鶏のマッチョを連れ

マイクに付いていくことにします

レタは息子を誘拐されたと、保安官に通報し追っ手を雇います

警察によって道路は封鎖され回り道をしながら旅するふたり

途中の町で買いもの中に車を盗まれてしまい

代わりに違う車を盗み(本人曰く借りるだけ)

次の町で入った食堂の女主人のマルタは、追っ手をまいたり

食事や寝床を提供したり、何かとふたりを助けてくれます

お礼にマイクはマルタの食堂を手伝い

町では集めた野生馬に手こずってる男の代わりに

野生馬を調教したのをきっかけに仕事を頼まれ

ラフォには乗馬を教えます

マイクはなぜか動物に好かれ、その噂は町に広がり

ウチの動物も診てくれと人々が殺到(笑)

マルタとマイクはお互い好意を寄せあい

ラフォもマルタの孫と親しくなり(笑)

マイクにとってもラフォにとっても

今までにない幸せなひとときを送っていました

しかしリタが雇った追っ手に見つかり

マルタの家族にも町の人々にも迷惑をかけてはいけない

ふたりは再びアメリカを目指すことにしました

(2週間もマルタと過ごしていたので 笑)

マイクが公衆電話からハワードに連絡すると

ハワードは何をもたもたしているんだ

リタの名義で投資した土地の利益を回収するには

ラフォが必要なんだと説明されるのです

息子に会いたかったからじゃないのか

息子を助けるためじゃなかったのか

そのことをラフォに言えないマイク

 

そのあとも麻薬の運び屋と間違えられたり

リタの追っ手に車をぶつけられ銃で脅されたりしながらも

(闘鶏のマッチョが大活躍)うまく切り抜け

ハワードの待つ国境に到着

ラフォは大切なマッチョをマイクに預けます

「俺の行く場所はわかってるだろ、また会いに来い」

ラフォが父親と抱き合う姿を見届けたマイクが向かった先は

マルタのところでした

正直、脚本はイマイチで

ラフォと母親、闘鶏との関係も描き切れていなく

逃走劇もご都合主義なのですが(笑)

 

老人が堂々と老人を演じる潔さ

ヨボヨボになっても恋する、幸せになる権利

見終えたあとには暖かい気持ちになりますね
思わず「クリント、お疲れ様」と

言いたくなること間違いなしです(笑)



【解説】allcinema より

許されざる者」「グラン・トリノ」の巨匠クリント・イーストウッドが、N・リチャード・ナッシュの同名小説を監督・主演で映画化したロード・ムービー。落ちぶれた元ロデオスターが、友人の不良息子をメキシコから連れ帰る長い旅路を描く。共演は新鋭エドゥアルド・ミネット。
 アメリカのテキサス州。孤独に暮らす元ロデオスターのマイク。ある日、元雇い主から、別れた妻のもとで荒んだ生活を送る息子のラフォをメキシコから連れ戻してほしいと依頼される。半ば誘拐のような訳あり仕事だったが、渋々ながらも引き受けたマイク。いざメキシコへ来てみると、ラフォは母親に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリ“マッチョ”を相棒にストリートで生きていた。やがてマイクとともにアメリカに行くことを決意するラフォ。しかし、そんな2人に、メキシコの警察や母親が放った追手が迫って来るのだったが…。