恋の十日間(1944)

原題は「I'll Be Seeing You」(私はあなたに会うでしょう)

アマゾンプライムの古典名作大量配信企画の1

こういう映画をけなしたら罰が当たりますね

I'll Be Seeing You」のタイトルがしっくりくる素敵なラスト

パーティのドレスを買うシーンは注目($69$19に 笑)

第二次世界大戦中のクリスマス休暇の列車内

妹に会いに行くという軍曹のザック(ジョセフ・コットン)と

叔父の家で休暇を過ごすメアリー(ジンジャー・ロジャース)は意気投合

メアリーは連絡先を教え彼を食事に誘います

でもお互い本当のことは隠していました

ザックに妹はおらず、戦争の怪我の後遺症でPTSDを患い

JAP日本兵がいかに怖い存在だったか想像できる)

軍から保養のため休暇を取るよう命令されていました

メアリーはレイプ被害の正当防衛が認められず服役中でしたが

模範囚のため仮出所中に唯一の身寄りである叔父を頼って来たのです

叔父の家では17歳になる姪のバーバラ(シャーリー・テンプル)の

部屋で一緒に寝ることになります

このバーバラちゃんがおませなうえ、かなり生意気(笑)

メアリーがどうして服役したのか知りたがるし

こそこそと嫌味ないやがらせをしてくる

ザックが食事にやって来ると、今度はハンサムな兵隊さんに興味深々

さすが元祖名子役、その表情だけで考えていることが見て取れます(笑)

メアリーもザックもそんなバーバラに、大人の対応を見せますが

やがて彼女の幼さがふたりを傷つけてしまうことになります

メアリーのことを思うとPTSDの症状が収まる

ザックはメアリーに、妹がいるというのは嘘で

自分の病気のことも正直に話します

(戦争後遺症で歪んだ顔のダイナーのマスターが強烈)

メアリーは自分が囚人であることを話そうか迷いますが

叔母に相談すると、叔母は休暇が終われば彼は軍に戻るのよ

結婚するわけじゃないんだから、今を楽しみなさい

とアドバイスするのでした

ですが、真面目なザックは本気でメアリーを愛し

結婚を申し込む決意をするんですね

それを知ったバーバラが

おばさまが刑期を終えるまで待ってくれるのねと歓喜

メアリーに嘘をつかれていたことにショックを受けたザックは

軍の命令だと先の列車に乗り戻ってしまいます

悲しくて悲しくて泣いてしまうメアリー

私のせい、ごめんなさい、おばさんの辛さが今わかった

泣きじゃくるバーバラの手をそっと握る

彼とは別れてしまったけど

それでも、いままでの人生でかけがえのない

一番幸せで楽かった休暇だったのです

夜になり、ひとり寂しく女性刑務所に向かうメアリー

すると刑務所の門の前に立っていたのはザックでした

今度こそ本気のプロポーズ

そしてこれこそが美男美女のキスシーンよ(笑)

でもこの時まだ戦争は終わっていないのですね

どちらが先に帰れるかわからない

(もしかしたら死ぬかもしれない)

本当のハッピーエンドはまだ先だけど

愛の力で乗り越えてほしいと願わずにいられませんでした





【解説】映画.COMより

セルズニック・インタァナショナル1945年度作品最初にラジオ・ドラマ化されガァトルウド・ロオレンスとジェームス・キャグニイが放送して好評を博したチャアルス・マッティンのストオリイを映画化たもので、きゃくほんはマリオン・パーソネット。監督は「宝石泥棒」をはじめ「科学者の道」「ゾラの生涯」を経て、最近の「恋文」まで活躍を続けているウィリアム・ディーターレ。撮影は最古参の一人トニー・ゴーディオである。俳優は、フレッド・アステアと共演の音楽映画で余りにも知られているジンジャア・ロジャスと、ニューヨーク劇壇から映画入りをして、オースン・ウェルスの「市民ケーン」にデビューしたジョセフ・コットンが共演し、娘役に成長し、「接吻して話して」等に出演している往年の子役シャアリィ・テンムプルが助演する。

酔に任せて迫って来た雇主を避けようとして誤って彼を殺し、殺人罪に問われ入獄中だったメァリイは、クリスマスの仮出獄を許され、パィンスヒルの伯父夫妻の邸へ赴く汽車の中で、モオガンという青年と知り合った。彼は技師として働いているうちに招集され、太平洋戦線で負傷し、それが原因で神経病になり、陸軍病院で療養中だったが、やはりクリスマスを過ごすため、パインスヒルのYMCA療養所へ行く途中だった。メァリィは平和な家庭を夢みている娘だったし、モォガンも静かな生活を愛する青年だった。語り合ううち、2人の間には恋が芽生えた。しかし、メァリイは、自分の暗い境遇を打明けることが出来なかった。パインスヒルの伯父夫妻の邸に着いてから、2人は楽しい幾日かを過ごしたが、愛し合えば愛し合うほど、メァリイは、ふとしたことから、モオガンにメァリイが犯罪者であることを話してしまった。あまりにも突然な打撃に、モォガンは気も転倒し、メァリイに一言も残さず、停車場へ去って行った。メァリイはすべてをあきらめ再び刑務所へ帰った。が、その冷たい扉の前にはモォガンが待っていた。気が静まるに従って、彼は心からメァリイを愛していることを悟ったのだった。また逢う日まで、いつまでも、と、彼は彼女の刑期が果てる日を指折り数えて待つのだった。