2003~2013年までに全20巻が刊行され
300万部以上の売り上げを記録した令丈ヒロ子による児童文学シリーズ
サブタイトルは「花の湯温泉ストーリー」
両親を交通事故で亡くした小学生6年生の女の子が
おばあちゃんの経営する旅館「春の屋」で人と触れ合い、成長していく物語
もっと悲しい状況を乗り越えていく話なのかなと思ったけれど
ファンタジー要素とユーモアがあって、ポジティブになれる作品
子どもだけでなく、大人に見てもらいたい
特に小学生の女の子のいるお父さんが見たら涙腺崩壊間違いなし(笑)
おばあちゃんが倒れ、跡取りの若おかみとして修行するようになったおっこ
だけど慣れない着物に接客で失敗ばかり
しかも「春の屋」にやってくるのは、困った客や面倒な客ばかり
でも「春の屋」のモットーは「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない」
様々な困難を、真っ直ぐな努力でアイディアを生みだし乗り越えていきます
そんなおっこにライバル心をメラメラと燃やすのが
クラスメイトもあり、秋好旅館のお嬢”ピンフリ”こと真月
ご自分様の旅館至上主義というプライドの高い女の子
でもおっこが本当に困っているときには何気に助けてくてる
「エースをねらえ」のお蝶夫人か
「ガラスの仮面」の亜弓さんみたいな立場位置ね(笑)
秋になり、おっこと真月が神社で神楽の練習を始めた頃
長期入院から退院したばかりという男が、妻と息子を連れてやってきました
しかしこの男、花の湯の料理を病院食と変わらないとケチをつけ食べようとしません
真月の協力でピンチは切り抜けたものの、料理に満足した男の話から
彼こそが両親を死に追いやったトラックの運転手だったことを知るのです
おっこのショックは隠せない
怒りや、悲しみや、いろいろな気持ちが爆発して涙が流れる
今まで彼女を励ましてくれた両親の姿も
幽霊のウリ坊(おばあちゃんの幼馴染)や美陽(真月の姉)も
PTSDになったおっこが作り出した妄想ではないかと思えてしまう
でもそのことで、おっこは初めて両親の死を受け入れます
自分は被害者ではなく「春の屋」の若おかみ
そして「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない、すべてを受け入れ癒してくれる」
おっこは一家を快くおもてなしする決意をするのです
春、神楽の舞台で踊るおっこと真月の姿
ウリ坊と美陽は生まれ変わったら再会することを約束し
成仏していくのでした
(救いはおばあちゃんが死ななかったこと 笑)
とにかくすごいのが、これだけの話を90分というコンパクトにまとめたこと
そして意外にもアニメーションの技術がすごいということ
いかにもジブリのパクリというシーンも嫌味でなく(笑)
子どもだけではなく、「お涙頂戴のアニメなんて嫌だ」という大人にも
ぜひ見てほしいと思います
【解説】映画.COMより累計発行部数300万部を誇る人気児童文学シリーズ「若おかみは小学生!」をアニメーション映画化。小学6年生の女の子おっこは交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られる。旅館に古くから住み着いているユーレイ少年のウリ坊や、転校先の同級生でライバル旅館の跡取り娘・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみの修行を始めることに。失敗の連続に落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに支えられながら、次々とやって来る個性的なお客様をもてなそうと奮闘するうちに、少しずつ成長していく。人気子役の小林星蘭が主人公おっこの声を担当。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリ作品で作画監督を務めてきた高坂希太郎が、「茄子 アンダルシアの夏」以来15年ぶりに長編劇場アニメの監督を手がけた。脚本は「映画 聲の形」「夜明け告げるルーのうた」などヒット作を数多く担当する吉田玲子。