原題も「East Side Sushi」
カリフォルニアに住むメキシコ系のシンブルマザーが
日本独自の修行に耐え寿司職人を目指す物語
中身は深くないものの、わかりやすく見やすい
シンプルなサクセスストーリー
さらりと性別や国籍に関する差別も盛り込まれていますが
日本文化の表現はまともなほうだと思います(笑)
アメリカでもこういう映画が作れるんじゃない
(トランプが大統領に就任する前の作品だけどな)
シングルマザーのフォアナは一人娘を育てながら
父親の営業するフルーツカートを手伝ってましたが
強盗に売上金を奪われてしまい一文無しになってしまいます
そんな時日本レストラン「大阪」でスタッフ募集の張り紙を見つけ
調理師の経験があることからスーシェフ(副料理長)として応募します
しかし「女性」という理由でキッチンヘルパーとして採用されます
この店に来る客の多くは、日本人男性の寿司職人が
カウンターで握る寿司が目当てでやってくるからです
最初は箸も使えない、寿司の食べ方も知らなかったフォアナでしたが
日本人の板前の調理技術の虜になっていき、見よう見まねで寿司を研究します
(でもフォアナの父親は連日の寿司に飽き飽き 笑)
板前長のアキはそんなフォアナを応援し
スタッフからも信頼され、厨房が忙しい時には
人気メニューを調理し客に配膳するようにもなりました
しかしそのことがオーナーのミスター吉田に知れてしまいます
フォアナは板前になるチャンスを要求しますが
ミスター吉田はカウンターにメキシコ人女性が立つことを許さない
フォアナはキレていまい即座に店を辞めてしまいます
これって両方の言い分がわかりますよね
フォアナにしてみれば板前に負けない寿司メニューが作れるわけで
女性という理由でスーシェフになれないのは納得いかない
(香水つけて料理はさすがに日本料理ではNGだけど 笑)
だけどミスター吉田にしてみれば
カリフォルニアロールのような寿司を作れただけで
一流の板前とは認めないでしょう
味はもちろん、魚のさばきかた、包丁の研ぎかたから衛生面まで
何年もの厳しい修行が必要だと考えるのは当然です
でも若い、そして何より生活に必要なお金が欲しい
フォアナにはそのことが理解できない
かといって洗車場で働いてみたものの、板前への夢が諦めきれない
そんなとき、テレビで「Champions of Sushi」の応募者募集を知り
フォアナはファイナリストの1人に選ばれます
彼女は早速アキにそれを伝え、フードトラックでメキシコ料理デート
日本人ってジャンクフードも実は好き(笑)
そしてアキは「Champions of Sushi」の決勝戦を
店の仕込み中にさりげなく、ミスター吉田に見せるのです
フォアナは惜しくも優勝を逃してしまいますが、彼女の努力に
ミスター吉田は板前としてカウンターに立つことを許します
それは日系とメキシコ系の違いはあれ、必死で仕事を求める彼女の姿に
自分がアメリカで日本レストランを始めたときと同じ
苦労を見たのだと思うのです
人種や、世代や、性別のジェンダーギャップはなくならないもの
それをセクハラだ、パワハラだとすぐ騒ぐより(悪質なものは別)
本当に自分のやりたいことなら、実力を認めてもらうまで頑張ること
なんでも南カリフォルニア大学と、アメリカ国務省の
共同プロジェクトの一環で作られたインディペンデント映画で
モデルになった実在の女性がいるそうです
しかし当時はなかなか配給会社が決まらず、日本では
アメリカ大使館主催で上映会を行ったそうです
寿司はアメリカンスタイルそのものですが(笑)
何よりも作り手の誠意を感じることができました
【解説】amazonプライムビデオより
ングルマザーのフォアナは、地元の日本食レストランで働くことを決意。立ちはだかる困難にもめげす、すし職人になるという夢に向かって奮闘する。CAAMフェスト、ハートランド映画祭、ナパバレー映画祭公式出品作品