イーストサイド・寿司(2014)

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原題も「East Side Sushi」

カリフォルニアに住むメキシコ系のシンブルマザーが
日本独自の修行に耐え寿司職人を目指す物語
中身は深くないものの、わかりやすく見やすい
シンプルなサクセスストーリー

さらりと性別や国籍に関する差別も盛り込まれていますが
日本文化の表現はまともなほうだと思います(笑)
アメリカでもこういう映画が作れるんじゃない
(トランプが大統領に就任する前の作品だけどな)

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シングルマザーのフォアナは一人娘を育てながら
父親の営業するフルーツカートを手伝ってましたが
強盗に売上金を奪われてしまい一文無しになってしまいます
そんな時日本レストラン「大阪」でスタッフ募集の張り紙を見つけ
調理師の経験があることからスーシェフ(副料理長)として応募します
しかし「女性」という理由でキッチンヘルパーとして採用されます
この店に来る客の多くは、日本人男性の寿司職人が
カウンターで握る寿司が目当てでやってくるからです

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最初は箸も使えない、寿司の食べ方も知らなかったフォアナでしたが
日本人の板前の調理技術の虜になっていき、見よう見まねで寿司を研究します
(でもフォアナの父親は連日の寿司に飽き飽き 笑)

板前長のアキはそんなフォアナを応援し
スタッフからも信頼され、厨房が忙しい時には
人気メニューを調理し客に配膳するようにもなりました

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しかしそのことがオーナーのミスター吉田に知れてしまいます
フォアナは板前になるチャンスを要求しますが
ミスター吉田はカウンターにメキシコ人女性が立つことを許さない
フォアナはキレていまい即座に店を辞めてしまいます

これって両方の言い分がわかりますよね
フォアナにしてみれば板前に負けない寿司メニューが作れるわけで
女性という理由でスーシェフになれないのは納得いかない
(香水つけて料理はさすがに日本料理ではNGだけど 笑)

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だけどミスター吉田にしてみれば
カリフォルニアロールのような寿司を作れただけで
一流の板前とは認めないでしょう
味はもちろん、魚のさばきかた、包丁の研ぎかたから衛生面まで
何年もの厳しい修行が必要だと考えるのは当然です

でも若い、そして何より生活に必要なお金が欲しい
フォアナにはそのことが理解できない
かといって洗車場で働いてみたものの、板前への夢が諦めきれない

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そんなとき、テレビで「Champions of Sushi」の応募者募集を知り
フォアナはファイナリストの1人に選ばれます
彼女は早速アキにそれを伝え、フードトラックでメキシコ料理デート
日本人ってジャンクフードも実は好き(笑)

そしてアキは「Champions of Sushi」の決勝戦
店の仕込み中にさりげなく、ミスター吉田に見せるのです
フォアナは惜しくも優勝を逃してしまいますが、彼女の努力に
ミスター吉田は板前としてカウンターに立つことを許します

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それは日系とメキシコ系の違いはあれ、必死で仕事を求める彼女の姿に
自分がアメリカで日本レストランを始めたときと同じ
苦労を見たのだと思うのです

人種や、世代や、性別のジェンダーギャップはなくならないもの
それをセクハラだ、パワハラだとすぐ騒ぐより(悪質なものは別)
本当に自分のやりたいことなら、実力を認めてもらうまで頑張ること

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なんでも南カリフォルニア大学と、アメリ国務省
共同プロジェクトの一環で作られたインディペンデント映画で
モデルになった実在の女性がいるそうです
しかし当時はなかなか配給会社が決まらず、日本では
アメリカ大使館主催で上映会を行ったそうです

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寿司はアメリカンスタイルそのものですが(笑)
何よりも作り手の誠意を感じることができました

 


【解説】amazonプライムビデオより
ングルマザーのフォアナは、地元の日本食レストランで働くことを決意。立ちはだかる困難にもめげす、すし職人になるという夢に向かって奮闘する。CAAMフェスト、ハートランド映画祭、ナパバレー映画祭公式出品作品