スタンド・バイ・ミー(1986)

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ロリポップロリポップ♪オー!ロリポップ

Call my baby lollipop  私はベイビイ(恋人)をロリポップって呼ぶの
Tell you why  なぜって?
His kiss is sweeter than an apple pie
彼のキスはアップルパイよりも甘いし
And when he does his shaky rockin' dance
体をゆすってダンスするときには
Man, I haven't got a chance (キスする)チャンスもないから
I call him Lollipop lollipop  私は彼をロリポップって呼ぶの
Oh ~Lollipop lollipop

 

80年代に上映された映画の中で神聖化されている作品のひとつ
原題も「STAND BY ME」

原作はスティーブン・キングの半自伝的短編小説
試写を観てキングが号泣したといたというのは有名な逸話
そして、ロブ・ライナー監督が設立した製作会社の名前に
スタンド・バイ・ミー」に登場する架空の街
「キャッスル・ロック」をプレゼントします

言いたいことは、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」の
歌詞にすべて書いてありますが(笑)
いわば、ひと夏の思い出の物語

 

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ツリーハウスの秘密基地で無邪気にはしゃぐ
(日本でいう小学6年生の)4人の少年たち
そこで太っちょのバーン(ジェリー・オコンネル)がニュースになっている
行方不明の少年の死体を兄貴たちが見つけたと言います

物語を書くのが好きなゴーディ(ウィル・ウィートン)は
すぐにその死体の話の虜になり
父親が元軍人でミリタリーヲタクのテディ(コリー・フェルドマン)と
リーダー格のクリス(リバー・フェニックス)は
行方不明者を見つければ話題になり、町の英雄になれるかも知れない
臆病者のバーンを説得し、死体を見つけるための
1泊2日の旅に出るのです

 

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でも、子どもの1日は大人よりずっとずっと長い(笑)
最初はただ死体探しが目的だっただけ
だけど本当は4人とも「ここではない、どこか」を探していたのです

ゴーディは、フットボールの花形選手だった
兄(ジョン・キューザック)の事故死のせいで
両親の冷淡な態度に苦しんでいました

クリスは父親が服役中で、不良の兄貴(ブラッドリー・グレッグ)のせいで
自分まで”ワルで泥棒”だという偏見にさらされています

テディの父親はかってはノルマンディーの勇士でしたが
心が病み、DVが原因で今は精神病院に入院しています
バーンの兄貴も不良で(クリスの兄貴とは仲間)
両親も理想的とはいえません

 

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そんな家庭に居場所の見つけれない者同士が
喧嘩しても、性格が違っても、つるむのはある意味当然で
これは多かれ、少なかれ、誰もが経験しているのではないでしょうか

また、兄貴たちがゴーディの宝物のNY帽を獲ったり
野球ゲームだと郵便受けをバットで打ちまくる
あげくのはてには不良グループのリーダー
エース(キーファー・サザーランド)が見つけた死体をよこせと言う

 

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コイツ、マジで滅茶苦茶アタマにくる(笑)
だけどその時、捨て身になってエースに立ち向かったのは
一番か弱そうなゴーディだったのです

死体を探す旅は終わり、それぞれの家に帰る
英雄になることもやめ、夏が終わる
新学期からはそれぞれの道に行き、会うこともなくなる
それは、”子ども”だった時が終わる瞬間

だけど、この夏だけは永遠に忘れない

 

So darling, darling だから ダーリン ダーリン
Stand by me, oh stand by me 僕のそばにいて 
Oh stand, stand by me 
Stand by me・・・

 

う~ん、やっぱり名作
どうして今は、こういう素直に感動できる映画を作れなくなったのかなあ

 


【解説】allcinemaより
モダン・ホラーの帝王スティーヴン・キングの非ホラー短編を基に、R・ライナーが少年時代の想い出をさわやかに描き上げた名編。オレゴンの田舎町、行方不明になった少年の死体を見つけようと、ちょっとした冒険旅行に出かける4人の少年。コロコロと笑い、ささいな事で怒り、突然不安に襲われたりする、少年期特有の心情がつぶさに描かれており、少年時代の原風景とでも呼べる山や森を見事に捉えた映像と相俟って、かつて少年だった男たちの琴線に触れてやまない一編である。そして、タイトルにもなっているベン・E・キングのスタンダード・ナンバーは、何にもましてこの作品の切なさを代弁している。