乱気流/タービュランス(1997)




殺人鬼が追いかけ、ヒロインが泣き叫び、逃げる

「シャイニング」のクライマックスを
飛行機の中に置き換えたようなB級ホラーということです

FBIも操縦士もみんな死んでしまい
殺人鬼とヒロイン、ふたりきりの対決にするまでのもっていきかたは
確かに無理やりで強引ではありましたけれど
レイ・リオッタの狂気ぶりはなかなかGOOD

レイ・リオッタって20代から50代まで見える年齢不詳だし
イイ人から、バカから、悪役までこなせる
なかなかの名わき役だと私は思っています

この作品でも本当はいい人なんじゃ?
本当は冤罪なんじゃ?と匂わせておきながらも
いきなりイカレっぷりがさく裂

客室乗務員もズダボロになりながら抵抗
このヒステリーぶりにはちょっとイラっときたけど
意外にも強い強い

そして、飛行機の車輪にひっかかった車を
撃ち落とした戦闘機のパイロットは見事な腕前
しかも旅客機って自動操縦で簡単に着陸できちゃうんだ?
凄いね

とにかくB級感は味わえる作品
テンポはいいので、つまらなくは感じませんでした
乱気流はほとんど関係ない内容でしたけど(笑)



【解説】allcinemaより
クリスマス・イヴ、わずかな乗客しかいないジャンボ機で、四人の保安官は二人の囚人を護送していた。ところが囚人のひとりスタッブスが保安官の銃を奪い取り、銃撃戦が発生。その結果、スタッブスと保安官全員、それに機長と副機長が死亡するという事態に陥った。生き延びた囚人ライアンはスチュワーデスのテリーに自分の無実を主張し、協力する事を提案。だが、自動操縦で飛行を続けるジャンボ機が嵐に突入した頃から、ライアンは殺人鬼の正体を現す。乗客数人は客室に閉じ込められ、他のスチュワーデスもライアンに殺されていた。機内で動けるのはテリーとライアンしかいないのだ。そんな過酷な状況の中で、テリーは無線を頼りにジャンボ機を操縦することになる。しかも死をも恐れないライアンは機をLAに墜落させると宣言、国防総省は最悪の事態を避けるため、ジャンボ機の撃墜を準備していた……。
 まるで70年代航空パニック映画の再現のような作品だと思ったら、監督は「メイデイ40,000フィート」のR・バトラー。そういえばアチラも似たようなストーリーだったような気が……。そのせいかどうか、本作もTVムービー的にこぢんまりとした造りになっており、数々の見せ場があるにも関わらずさして盛り上がりのない結果に終わってしまった。嵐の中、限定された空間で狂気の殺人鬼に追われる女というのは、実はゴシック・ホラーの定番で、その舞台を飛行機に置き換えたというのは、アイディア的には金星物と言ってもいいのだが、いかんせん、先に挙げた理由と、主演のL・ホリーに魅力が無いのが致命的。たとえ殺人鬼に襲われたからといって、化粧が崩れるまま泣き叫び続けるという、観客の感情移入を拒むようなキャラであっては駄目なのだ。