イレブン・ミニッツ(2015)





早稲田松竹にて鑑賞



11分間の出来事を映した群像劇

顔を殴られた男と、女優の妻、映画監督
バイク便の男、ホットドッグ屋、尼さん
登山家の男女、絵を描く老人、強盗に失敗する青年
救命士たち、犬を連れた女性

それぞれの人物がどのような人間なのかとか
過去についてなど、背景は一切語られません
どうしてそうなったのかの説明もありません

ただ、不気味な音楽に、旅客機の轟音に
なにかきっと悪いことが起こるということは
わかる

バイク便の男と、ホットドック屋は実は親子で
どうやら男は結婚するようだ
ここから、それぞれの人物がどこかでつながると思った

でも違った
ストーリーなんて、かけらもない

たまたま数分遅刻してしまった
アクシデントがあった
そのせいで、たまたま17時11分に
その場所に居合わせてしまう

まったくの偶然
運命のいたずら


スコリモフスキ監督が
78歳でメガホンを取った作品ということ

なんという斬新さ
常識なんて完全に無視
あっけにとられた

私は面白かったです

さすがに、このカメラーワークには
目が回りそうにはなりましたけれど(笑)



【解説】allcinemaより
アンナと過ごした4日間」「エッセンシャル・キリング」のイエジー・スコリモフスキ監督が、午後5時から5時11分までの限られた時間に焦点を絞り、様々な登場人物たちが繰り広げるありふれた日常の一コマ一コマが、やがて思いも寄らぬ結末へと収斂していくさまをモザイク状に描いた実験精神あふれる群像サスペンス。街に午後5時を告げる鐘が鳴る中、一人の男が慌てて家を飛び出し妻のもとへと向かう。その妻は女優で、優雅なホテルの一室で下心ミエミエの映画監督と一対一の面接に臨もうとしていたが…。