マクリントック(1963) デジタルリマスター版


かつての邦題は「大西部の男」といったそうです

シェイクスピアの戯曲「じゃじゃ馬ならし」をモチーフに作られた

本格的な西部劇というより、西部を舞台にしたドタバタ劇

マクラグレン監督、ジョン・フォ-ド監督に対するオマ-ジュが

気持ち良く感じ取れる1

 

この頃のモーリン・オハラは人気大女優だったと思うのですが

大乱闘に巻き込まれたり、泥んこになったり

あられもない姿で走り回ったり、大活躍

スパンキングまでされて、よくここまでやったという感じ(笑)

そのかわりクレジットタイトルも、御大デュークとツートップ

 

大地主で人望もあるマクリントックジョン・ウェイン)のもとに
2年前に彼の浮気を疑って家出した

妻のキャサリンモーリン・オハラ)が戻ってきます

 

かもたまたま運悪く、雇い入れた未亡人の料理人ロージー

 

その息子デヴリン(パトリック・ウェイン=デュークの息子)との
ウォレン母子との関係まで疑われてしまうのです
 

ヒステリーになったキャサリン

ひとり娘ベッキーの後見人になることを条件に
マクリントックに離婚届にサインをすることを迫ります

 

そんな折、住居許可のあるインディアンと開拓民がトラブルになり

東部に留学中の娘、ベッキーが帰ってきます

 

同じ汽車でインディアンの指導者たちも降り立ちました

しかし州当局によって指導者たちは強制収容されてしまいます

 

ベッキーを迎えに行ったデヴリンはベッキーに一目惚れ

だけど彼女はマクリントックと肩を並べる有力者の息子

ダグラス・ジュニアと付き合っていたのです

 

頭が良く大学まで進学、だけど地位もお金もない

そんなデヴリンのベッキーに対する一途な思いに

マクリントックは気がついていました

 

そして独立記念日のお祭りの日、町中が浮かれているとき

インディアンが仲間を救おうと刑務所を爆破し町は大混乱

 

みんなが泥沼に滑り落ちる乱闘になり

マクリントックキャサリンは大喧嘩

ハチャメチャだけど、気持ちのいい

 

リオ・グランデの砦」(1950)や「静かなる男」(1952)でも

共演しているだけあって、デュークとモ-リン・オハラの相性は抜群ですね

互いに抱く愛情と尊敬の念が、根底に感じられるのです

もちろんラストは元のさやに納まるというハッピーエンド

しかもインディアンも、だれも死んだりしない

痛快西部劇で、愛のあるホームコメディでありました

 


【解説】allcinemaより

 大牧場主のマクリントックのもとに、二年前に別れたきりの妻が戻ってきた。目的は、二人の娘を東部に連れて帰ること。彼はなんとか妻をなだめて、一緒に暮らそうと申し出るが……。勝ち気な妻に翻弄される男をコミカルに描いた、マクラグレン監督の日本デビュー作。