アーティスト(2011)




「バンド・ワゴン」を見てから
この作品は「バンド・ワゴン」のオマージュなのだと
気が付きました

CGや3Dが氾濫している中
白黒でサイレントという逆手のアイデアは新鮮に感じますし
たとえ言葉が通じなくてもわかりあえるということが
2011年アカデミー作品賞受賞の理由なのでしょう

ただ、残念なことにヒロインに魅力がない
シルビア・クリステルとかミア・ファロー系の顔を
下品で不細工にした感じ(失礼)
でもこういう顔立ちって妙な色気はあります
男性から見たならまた違う印象かもしれません

それでも、この作品を下品なものにしなかったのは
主人公の運転手と、愛犬の演技が素晴らしかったから
特にワンちゃんが火事の現場から主人公を助けるために
警察官を呼びに行くシーンは逸品

戸惑う警察官に、そばにいたおばあちゃんが
「なにやってるの、早く行きなさい」と(いうセリフはないが)
顔で合図するのもいい

フランス人で制作されただけあって
このような洒落た演出が
いたるところに散りばめられています

これでヒロインが、クローデット・コルベール似の美女とか
もっと上品なメイクだったらと思うと本当に残念
ベレニス・ベジョさん、ごめんなさい)

何がって、ワンちゃんの演技が一番印象的な佳作(笑)
こんなワンちゃん、可愛すぎて逆に飼えません



【解説】allcinemaより
 フランスで人気のスパイ・コメディ「OSS 117」シリーズのミシェル・アザナヴィシウス監督と主演のジャン・デュジャルダンのコンビが、ハリウッド黄金期を舞台に白黒&サイレントのスタイルで描き、みごと2012年のアカデミー賞作品賞に輝いた異色のロマンティック・ストーリー。共演はベレニス・ベジョ。また、劇中で主人公のチャーミングな愛犬を演じたタレント犬アギーの名演も大きな話題となった。
 1927年、ハリウッド。サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、彼に憧れる女優の卵ペピーと出会い、自身の主演作でエキストラの役を手にした彼女に優しくアドバイスをおくる。そんな中、時代はセリフのあるトーキー映画へと大きく変わっていく。しかしジョージは、自分は芸術家だと主張してサイレント映画固執、瞬く間にスターの座から滑り落ちることに。そんなジョージとは対照的に、時代の波に乗ってスターの階段を駆け上っていくペピーだったが…。