カサブランカ(1942)

 
 
 
数々の名場面、名セリフがあるこの作品
ファッションも、お酒の飲み方も、とても素敵で粋な映画
 
でも私がこの作品を初めて見たとき一番印象に残ったのは
「君の瞳に乾杯」でもない
「アズ・タイムズ・ゴー・バイ」でもない
 
リックのカフェで「ラインの守り」を歌うドイツ人たちに対抗して
フランス人がラ・マルセイエーズを歌うシーンです
 
その歌詞に驚いたのです
これが国歌なのか?今でもそうなのか?
もう一度その歌詞を、熱く歌うシーンを確かめたかった
 
でも今回のBSの放映では字幕がありませんでしたね
 
ひとりの美しい女性に
大人で、ニヒルで、寛容で
愛するひとのためなら、自己犠牲をいとわない
ふたりの男性
 
こんな男前の実力者に愛されたなら
オンナなら誰だって迷うはず(笑)
コテコテのメロドラマの美人の特権
 
 
しかしこのリックとラズロの
2人の正義感あるヒーローの姿は
 
第二次世界大戦がはじまり
ドイツ・イタリアがフランスまで占領
そのことでアメリカがヨーロッパでの参戦したことを
正当化する姿なのだそうです
 
 
ラストの警察署長は、いい人でいい味
映画の感動をより盛り上げてくれます
 
だけどボトルに入った水(ドイツ製)をゴミ箱に捨て
「やっと我々(フランスとアメリカ)は仲間になれた」と
リックに呟く
 
 
愛する女性、国を守るためには、わが身を捨てても戦う
弱きを助けるアメリカ人男は
たまらなくカッコイイというメッセージ
 
 
それでもやはり、歌も、台詞もいい
バーグマンの美しさも最高だし
 
気障なボギーのカッコよさにも
ため息がでるほどうっとり

 


 
【解説】allcinemaより
戦火近づく'40年の仏領モロッコカサブランカは、自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。ナイトクラブを経営するリックの元へ、ナチの手を逃れてここまでやって来た抵抗運動の指導者が現れる。だがその人物の妻は、かつてパリでリックと恋に落ちたイルザだった……。ボガート、バーグマン、そしてカサブランカの警察署長に扮しイイ味を醸し出すレインズ。激動の時代、別れた恋人、再燃する愛--これでもかと注ぎ込まれたロマンティックな要素。そして、『君の瞳に乾杯』、『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』など心くすぐるキーワード。言わずと知れたアメリカ映画の古典的作品で、アカデミーの作品・監督・脚色賞を受賞。だが、リアルタイムで観ていない限り、この作品に“よくできたメロドラマ”という以上の価値を見出す事は困難である。