汚名(1946)

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原題は「NOTORIOUS」(悪名高い)

設定と展開はまんま「M:I-2」(2000)(笑)
ヒッチさんは今でも映画界に影響を与えているんですね
カメオはパーティでシャンパンを飲み干すヒッチさん

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この映画はイングリッド・バーグマンが好きかどうかで評価が割れると思います
残念ながら私はバーグマンが嫌い
バーグマンの美貌は認めるものの(特に下唇の形がGOOD)
男優に負けない大柄でゴツい体系と、ものすごいだみ声で
弱々しいヒロインを演じるのは違和感を感じるし
彼女独特のわざとらしいオーバーアクトにも
「男は騙せても、女は騙せないわよ」という気分になる(笑)

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本作では、ナチスのスパイとして父親の有罪判決を受けても
娘のアリシア(バーグマン)気を晴らすためホームパーティを行い
酒に酔い初対面の男(ケーリー・グラント)と猛スピードでドライブ
男はFBIのエージェントでデブリンと名乗り
南米でナチスの活動を探るスパイをしてくれないかとアリシアに頼みます

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序盤は、ほかの作品にないハスッパさで(笑)
ゴツいだけでなく、タフなバーグマンの新境地発見かと期待しましたが  
(グラントが寒いからとスカーフを巻くのはなぜかバーグマンの腹 笑)
結局バーグマンお得意の、ウジウジ、涙目キラキラ
「私のこと愛しているの?いないの?」パターンに着地

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アメリカ育ちで、アメリカかぶれのナチの残党の娘が
スパイとしてナチの要員の妻になり活動を探る・・の見せ場が
ケーリー・グランドとキス、キス、キス、キスの連続
(上司たちといい、こんなスカスカな諜報活動でいいのか 笑)

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とはいえ当時の検閲では3秒以上のキスシーンが禁止だたっため
ヒッチコックはそれを逆手にとり
3秒以内のキスを何度も繰り返すという手法が話題になったそうで
今でも「キスシーンの美しい映画」として評価が高いそうです

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だからといって、いくらマザコンでもこんな優柔不断女に騙された
組織のドン、セバスチャン(クロード・レインズ)が私的には気の毒よ
アリシアがスパイだと打ち明けられた母親が、ベッドを起き上がって
タバコに火をつけるシーンはクールだったけど

もしこれが、純真純情ブリブリのバーグマンじゃなく
「愛の女神」リタ・ヘイワース女スパイ様のハニートラップだったら
騙されてもしょうがないし、裏切られても本望だけどな
(でも、リタはヒッチさんの好みじゃないわね)

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セバスチャンの酒蔵に隠されたワインの瓶から発見されたウラニウム
素手で触っちゃダメだよな 汗)
そこからナチス原子爆弾を開発しようと思われるわけですが
そんなウラニウムの話はどこかに行ってしまい(笑)

毒を盛られ倒れたアリシアデブリンに助けられ
セバスチャンは仲間に殺される運命が待っていました

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いやいや、そういうことの前に
「愛してる」「もう一度言って」とか顔近づけて囁きあって
アリシアを抱きかかえ正面玄関から出ていくデブリンを
何もしないで眺めているだけなのおかしいだろ(笑)

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さすがヒッチさん、たとえシリアスなメロドラマでも
ツッコミどころは欠かしません

私はバーグマンが嫌いですが(しつこい)

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彼女が巨匠と呼ばれる男たちにモテることは認めます
しかも「白い恐怖」(1945)と並ぶ、イングリッド・バーグマン(30歳頃)の
美貌と演技力が最も発揮されたる”絶頂期”の作品
溜息ものの美しさを堪能できることは間違いないでしょう

 


【解説】KINENOTEより
「断崖」「疑惑の影」のアルフレッド・ヒッチコックが「ガス燈」「ジキル博士とハイド氏(1941)」のイングリッド・バーグマンと「独身者と女学生」のケーリー・グラントを主役として監督した1946年作品。脚本は「運命の饗宴」やヒッチコック作品「呪縛」のベン・ヘクトが書き下ろしたもので、撮影は現在監督に転じて名を挙げている「春を手さぐる」等のテッド・テズラフで、音楽は「ママの思い出」のロイ・ウェッブが作曲した。助演はクロード・レインズ、「ゾラの生涯」のルイス・カルハーン、映画初出演の舞台女優レオポルディーン・コンスタンチン、「少年牧場」のモローニ・オルセン、かつてドイツ映画の監督だったラインホルト・シュンツェルその他である。