オリエント急行殺人事件 (1974)




映画ファンなら思わずほくそ笑んでしまう
そんな見事なキャストですねえ、華やか、華やか。

1930年、アメリカでの富豪の娘の誘拐殺人事件の5年後
イスタンブールからカレーに向かうオリエント急行の中で
資産家であるラチェットが、12か所を刺され殺されます。

雪で立ち往生し、閉ざされた列車の中
名探偵ポアロは乗客をひとりひとり尋問。
次々と現れる証拠品
しかも全ての人間が5年前の誘拐殺人事件の関係者だったのです。

ポアロが尋問を終えるたびに
「あいつが犯人だ!」という鉄道会社重役のビアンキ
おいおい!と思ったけれど、マイッタ
ビアンキ、結局君が正しかったよ(笑)

この作品は最初からオールスター出演の
娯楽志向な映画として作られたそうです。
サスペンスでありながら全体的に軽妙な雰囲気。

美術や衣装は凝っていました。
ポアロの悪趣味な髪型にガウン(笑)
白塗りなメイク
寝るときにはヘアスタイルが崩れないように?ネットをかぶります。
鼻の下に巻くアイマスクみたいなのは何なのでしょう?
イビキ防止グッズなのかしら。

1930年代のお金持ちファッションを知ることができて
たのしいですよね。

バーグマンもバコールも50歳くらいでしょうか。
輝くような美貌は衰えたものの
まだまだ綺麗ですね、さすがでございます。
でもバーグマンは地味すぎたかな、本人が望んだそうですけれど。

強引に辻褄を合わせた謎解きはちょっと微妙ですが(笑)
映画通な方や鉄道ファンには
見ていて限りなく嬉しい作品だと思います。



【解説】allcinemaより
 1935年。イスタンブールからパリ経由でカレーに向かう大陸横断国際列車オリエント急行には様々な乗客が乗っていたが、その中には名探偵エルキュール・ポワロの姿もあった。二日目の深夜、折りからの雪で線路が埋まり列車が立往生している中、ポワロの隣の客室にいたアメリカ人富豪ラチェットが身体中を刃物で刺されて死んでいるのが発見される。鉄道会社からの依頼で事件の究明に乗り出したポワロは、一等寝台の車掌と十二人の乗客たちの尋問を開始するのだが…。
 A・クリスティの原作を、文字通りのオールスター・キャストで映画化したゴージャスなミステリ大作だが、多彩な人物を手際よく処理したS・ルメットの演出も見もの。オールスター・キャストによるクリスティ・ミステリの映画化は、この後「ナイル殺人事件」(78)、「クリスタル殺人事件」(80)、「地中海殺人事件」(82)、「ドーバー海峡殺人事件」(84)、「死海殺人事件」(88)と続く。