ナイル殺人事件(1978)





この作品を一番引っ張っているのは
エルキュール・ポアロ探偵の推理よりむしろ
ミア・ファローのストーカーぶりだと思います。
うまいですねえ。

日本でいえば宮沢りえさんや中森明菜さんというイメージでしょうか。
華奢すぎる身体に、妙に男性に対する執念を感じてしまう・・
憎い、だけど愛している
そんな心情を本当にうまく演じていたと思います。

父親の巨額の遺産相続をしたリネット。
彼女は親友のジャクリーンの婚約者
サイモンと恋に落ちてしまい略奪婚をしてしまいます。
そしてエジプト、ナイルへとハネムーンに向かいます。
もちろんリネットはセレブ、そのことはニュースになる。

リネットの新婚旅行先に現れるのは
彼女のお金に巣食おうとするもの
彼女の父親の強引な経営に恨みを持つ者
彼女とのトラブルで訴訟沙汰になっているもの
彼女に婚約者を奪われたジャクリーン。
そして名探偵!ポアロ

まあ、何人も人が死ぬのですが
警戒心のない、呑気なサスペンスでしたね。
大海の航海ならともかく、ただの川下りなのに警察もこないし。
役に立たないコブラとか(ノックはモールス信号でしょうか?)
真珠を盗んだり、戻したり(そしてどうなった?)
母親が殺されたのに娘が婚約発表するし(笑)

ただエジプト周遊の旅を味わえる楽しさはあります。
ピラミッドにもあんなふうに登ったり
ラクダに乗ってみたり。
現在は治安上どうかわかりませんけれど。

映画の中のナイル観光にどうぞ。



【解説】allcinemaより
 「オリエント急行殺人事件」に続きオールスター・キャストで映画化されたアガサ・クリスティのミステリ。原作は『ナイルに死す』。美貌と聡明さを兼ね備えた上、つい最近莫大な遺産を相続したリネット・リッジウェイは、親友ジャクリーンの婚約者と突然婚約をし、人目を避けてエジプトへハネムーンに旅立った。しかし豪華客船カルナーク号には、彼女に何らかの利害関係や遺恨、ないし敵意を抱いている者たちが勢揃いしていた……。壮大なエジプトの景色を背景に、物語中バラバラになっていた様々な謎が最後には全て一本の線で結ばれるという、クリスティ推理劇の醍醐味が存分に堪能出来る推理映画の傑作。D・ニーヴンを始め、M・ファロー、J・バーキン、O・ハッセー、J・ウォーデンらの素晴らしい役者陣に加え、ポアロ役のP・ユスティノフの演技が絶品! 文句のない第一級の推理映画。