確か10代のころテレビの吹き替えですけれど見て
とても衝撃的で面白かった記憶のある作品です。
デ・パルマ監督が34歳のときにとったメガホン。
今見直してみても、若くて斬新な感性に溢れた
素晴らしいカルトムービーなのではないでしょうか。
ハッピーエンドにならない、不幸な「美女と野獣」的要素もあって
醜男が美女に思いを寄せる哀しい恋の物語です。
そんな切ない物語のハズなのですが(笑)
ロック好きにはどこかワクワクするような
それどころかコメディにさえ感じてしまう
そんなお楽しみムービーだと私は思います。
その魅力はやはり主演者たちの個性にあるのでしょう。
思わず、かまやつひろし?に見えてしまうスワン(ポール・ウィリアムス)
こう見えてアカデミー賞受賞したり
カーペンターズのヒット曲なども作曲している知る人ぞ知るすごい人。
この作品でも全曲が彼の作曲です。
スワンがかまやつなら
こちらはフレディー・マーキュリーなビーフ(笑)
楽屋で頭にカラーを巻く乙女な姿も見逃せない。
「サイコ」もどきのシャワーシーンまであるし。
バックコーラスはどう見てもKISSのパクリ(笑)
でも訴訟になんかにならない、そんな寛容さが好き。
見る人によってはゲテモノのような作品だと思います。
でも、私にとってはこの自由な感覚は大人になった今でもやはり捨てがたい。
退廃しているのにエネルギーだけはある・・
そんな若さの象徴なのかもね、70年代ロックって。
悪趣味をうまくまとめた、ある意味傑作だと思います。
【解説】allcinemaより