奇跡(2011)




私の知人でも離婚した人が離婚した理由によく言うのは
「子どもの前で喧嘩ばかりして、子どもに悲しい思いをさせるから」
むかついたり怒ったりする程度というのは人によって違うでしょうが
女性ってイライラしやすいですものね。
どうにかならないものでしょうか。

両親が離婚して離れ離れに暮らしている小6と小4の兄弟。
ふたりは父親と母親が再び一緒になり
家族全員で暮らすことを願っています。

兄のほうはきっと、やさしい性格なのでしょう。
不器用な父親が心配でそばにいてやりたいのです。
子どもっぽい性格は、夫としては失格でも
子どもたちからは好かれているのでしょう。

九州新幹線の「つばめ」と「さくら」の
1番列車のすれちがう瞬間を目撃すると
奇跡がおきて願い事がかなう・・

そんな都市伝説を聞いた兄弟は
それぞれの願いを持った友人たちと共に
新幹線を見るため小さな旅へと出かけます。

展開としては、名作「スタンド・バイ・ミー」と
リンジー・ローハン(が可愛かった頃)の「ファミリー・ゲーム」を
足したような感じでしょうか。

なんたって小学生、行きあたりばったりの旅。
新幹線がすれ違う場所もよくわからなければ
泊まるところも考えていない。笑
たまたま出逢ったおばあちゃんに助けてもらいます。

それが親切な人だったから良かったものの
もしもガムテープで顔をグルグル巻きにするような
サイコ野郎だったらどうするんだ!と
映画なのに本気で心配する私・・

結局、新幹線を見ることはできず
トロールのお巡りさんに交番に連れて行かれ
迎えに来た親にしこたま怒られる子どもたち。

「奇跡」は起こらなかったのです。
しかしこの小さな冒険で、少しだけ大人になります。
願いは自分の努力で叶えるということに気が付くのです。

子どもの成長を暖かい眼差しで描いた秀作なのでしょう。
でも子どもを巻き込んだ事件が最近は多いせいで
「かわいい子には旅をさせろ」とはどうしても思えなかった・・
残念。



【解説】allcinemaより
「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の是枝裕和監督が小学生兄弟漫才コンビとしてお茶の間でも人気の“まえだまえだ”を主役に大抜擢し、2011年3月に全線開業した九州新幹線をモチーフに紡ぐ感動の家族ドラマ。両親の離婚で離れて暮らす兄弟を中心に、願いが叶うと噂される“九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間”を目撃しようと、様々な思いを胸に奮闘する子どもたちの大冒険の行方を瑞々しいタッチで綴る。
 小学6年生の航一と小学4年生の龍之介は仲の良い兄弟。しかし両親が離婚してしまい、それぞれの親に引き取られた2人は鹿児島と福岡で離ればなれに暮らしていた。ある日、九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間を目撃すれば願いが叶うという噂を耳にした航一。再び家族4人の絆を取り戻したいと願う彼は、龍之介と連絡を取り、一緒にすれ違う現場に行こうと約束する。こうして兄弟は、それぞれの友だちや周囲の大人たちを巻き込みながら、奇跡を起こすための無謀な計画を進めていくのだが…。