アメリカン・スナイパー(2014)

 
 
イラク出征ものとしては「ハート・ロッカー」のほうが
私の性にはあっています。
 
ただこちらの作品では主人公、クリス・カイルを演じた
ブラッドリー・クーパーがとても良かった。
ただ自分の信じる正義を貫く、そんな男。
 
幼いころから父親によって銃を与えられ
やられたらやりかえせと、弱いものを守れと
そう教育されてきました。
 
そして3.11でのテロをきっかけに愛国心に目覚めたクリスは
30歳で海兵隊に入隊します。
彼は射撃の天才でした。
的となった人間は次から次へと倒れていきます。
 
女性や子ども、家族を抱えた男性さえ
殺してしまうのもやむを得ない。
 
同じ戦場の仲間を救うため
敵を討つため、アメリカを守るため。
決して動じない強い信念。
 
家では妻を愛し、子どもの良き父親になろうします。
やさしく、逞しく、家族のために尽くす
理想の父親になるために努力しているのです。
 
なのに妻は、心は戦場から戻ってきていないと責める。
元射撃オリンピック選手のスナイパー
「ムスタファ」との対決の後
クリスはついに退役する決心をします。
 
生きて帰れたアメリカ。
 
なのに同じ元海兵隊員に
同じアメリカ人に殺されてしまうとは。
 
音のないエンドロールは素晴らしい演出だと思います。
華やかな音楽で戦争賛美などしていないし
切ないメロディーでヒーロー扱いもしていない。
素直で単純なだけの男の死を、静かに哀しむだけのラスト。
 
アメリカ兵の一方的な視点から見た作品なので
共感できないところもありますが
ギリギリお気に入りということで。
 
というか、ブラッドリー・クーパーがお気に入り。笑
 
 

 
【解説】allcinemaより
米海軍のエリート部隊“ネイビー・シールズ”の兵士としてイラク戦線で活躍した伝説の狙撃手クリス・カイルの回顧録ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』を、巨匠クリント・イーストウッド監督で映画化した戦争アクション。2003年のイラク戦争開始以後、4度にわたって戦場に赴き、仲間の命を守るために実に160人以上の敵を射殺した英雄の知られざる葛藤と苦悩の軌跡を、家族を愛しながらも戦場から離れがたくなっていく主人公の強い使命感と、それゆえに抱え込んでいく深い心の傷に焦点を当て、緊迫感あふれる筆致で描き出していく。主演は「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」のブラッドリー・クーパー、共演にシエナ・ミラー
 2001年のアメリ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが…。