メイジーの瞳(2012)




ネグレクト
子供に対するネグレクトは育児放棄(いくじほうき)
育児怠慢(いくじたいまん)
監護放棄(かんごほうき)とも言う。

心理的虐待および身体的虐待の一種でもあり、「自らの実子への無視」「特に自立性や自救能力が低く、幼児や低年齢児童の養育を著しく怠ること」を指す場合が多い。具体的には「食事や衣服を定期的に供与しない」「排泄物や廃棄物の始末を適切に行わない」「長時間の保護放棄」などがあり、しばしば虐待を伴う。ウィキペディアより





6歳になるメイジーは離婚した父(スティーヴ・クーガン)と
母(ジュリアン・ムーア)それぞれの家を10日ごとに行き来しています
しかしふたりは仕事が忙しく、メイジーの面倒を見るのは
父の再婚相手でナニーだったマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)か
でした

この両親、子どもの面倒はまったく見ないわりには
一応子どものことは愛しているのです





リンカーンがメイジーに優しく接して、メイジーが喜ぶと
「子どもに取り入ってる」と母親は嫉妬しリンカーンを軽蔑します
メイジーに「ママのこと愛してる?」といつも確認しておきながら
学校の送り迎えもすべてリンカーンに面倒を見させています

一方、美術商の父親も出張ばかりで留守がち
メイジーが家に来ても、世話をするのはマーゴでした





ある日仕事でどうしてもメイジーの預かりてのいなかったリンカーン
マーゴにメイジーを預けにいきます
そこには鍵をなくし部屋に入れないマーゴがいました
そして自分は「メイジーの親権のために利用されただけだ」と泣くのです
しかしそれからというもの、リンカーンとマーゴは親しくなっていきます


この大人たちは、メイジーの目の前で
いかなる理由でメイジーを預かることができないかを
平気でわめくのです

メイジーはそれをじっと見つめているだけ
そして素直に従います

仲の悪い両親に育てられた子どもって
きっとこうだろうなと思わせます
親の顔色をうかがい、親を刺激しないようにする
大人が思っている以上に、なんでも知っているのです





メイジーも両親のことを愛しているでしょう
でも、学校に連れて行ってくれるのは、ご飯を食べさせてくれるのは
リンカーンとマーゴしかいないということも知っています

ただ裕福な両親と違って、リンカーンとマーゴにはお金がありません
メイジーを引き取り、管理人のいない海辺の売り家で暮らし始めます
そしてメイジーは母親と行くよりも、若いふたりといることを選ぶのです


ハッピーエンドのようだけれど、メイジーの瞳は最後まで寂しい
この海辺の家も、住んでいるのが見つかれば追い出されるのです
リンカーンとマーゴにもいつか捨てられるかも知れない不安

それでもメイジーは楽しそうに笑い、幸せそうにふるまうのです
これが彼女の生きる道


うまく子育てができない、人にやさしくすることができない
そんな不器用な親も、世の中にはたくさんいるのでしょう
悪気ない無責任が憎らしくも印象的でした

そして、メイジーの着ているお洋服の
可愛らしさとセンスの良さ
女の子のママは必見です


【解説】allcinemaより
 離婚した両親の自分勝手な言動に振り回されながらも健気に自分の居場所を探し求める6歳の少女メイジーの姿を描いた感動ドラマ。出演はメイジー役にオナタ・アプリール、彼女を振り回す大人たちにジュリアン・ムーアスティーヴ・クーガンアレキサンダー・スカルスガルドジョアンナ・ヴァンダーハム。監督は「綴り字のシーズン」のスコット・マクギー&デヴィッド・シーゲル。
 ロック・シンガーの母スザンナと美術商の父ビールが離婚し、6歳のメイジーはそれぞれの家を10日ごとに行き来することに。そんな中、父は元々ベビーシッターだったマーゴと再婚。メイジーにとっても優しいマーゴの存在は安らぎをもたらしてくれた。すると、母も対抗するようにバーテンダーリンカーンと再婚。格好良くて優しいリンカーンにメイジーもまんざらでもない様子。いつしか本当の両親は自分たちのことにかまけて、メイジーの面倒はもっぱらマーゴとリンカーンが見るようになるが…。