ロング・グッドバイ(1973)

 
 
 
 
10代の頃海外ミステリーが大好きでした。
お気に入りはエド・マクベインの87分署シリーズと
イリアムアイリッシュの「幻の女」
チャンドラーなら「プレイバック」が一番好き。
 
私の思うマーロウではありませんでした。
強くもやさしくもない、脱力系マーロウ。笑
 
でも声はとても良かった。
 
ハンフリー・ボガードにも似たハスキーな声。
ブツブツと小言を呟くのだけれど
それがなんともいえない味を出しています。
最初に登場する猫ちゃんの演技もとてもウマイ。笑
 
独特のセンスの良さがある作品ですね。
この作品に影響を受けたクリエイターは多いのではないでしょうか。
事実、松田優作さんの「探偵物語」の原型だそうです。
 
親友のテリーに頼まれキシコの国境まで送り届けたマーロウ。
家に帰ったマーロウは警察に逮捕
テリーには妻殺しの容疑がかけられていたのです。
やがてテリーがメキシコで自殺したと連絡が入ります。
 
そんな時マーロウは行方不明の老作家、ウエイドを探してくれと
ウエイド夫人のアイリーンから依頼されます。
精神病院で見つかったウエイドはアルコール依存症でした。
そしてウエイド夫妻はテリー夫妻と知り合いでした。
一方ではヤクザがテリーが持ち逃げした35万ドルを探しています。
 
海に身投げしてしまうウエイド
死んだはずのテリーから送られれてきた5000ドル札紙幣
戻ってきた35万ドル・・・
事件は、お金の流れは、どこで繋がるのか?
 
結局、信じていた親友には裏切られ
惚れた女性はその親友に奪われていた・・
 
登場人物もそれぞれ独特で個性的ですし
台詞も、映像も、音楽も
とにかく雰囲気
雰囲気を楽しむ映画。
 
この雰囲気が好きな人は凄く好き
ハマる人はとてもハマる
そういう作品だと思います。
 

 
【解説】allcinemaより
 レイモンド・チャンドラー原作『長いお別れ』の異色映画化。そのエキスだけを巧みに70年代に移植した。探偵フィリップ・マーロウがメキシコへ逃した妻殺しの友人が自殺した。一方、別件で行方不明の作家を探し出したマーロウは、彼が死んだ友人夫妻の知り合いだという事を知る。やがて、友人が持ち逃げした金を返せとヤクザが現れる……。ニコチン中毒にして、ソフトもトレンチコートもない(猫まで飼ってる)グールドのマーロウ像が秀逸。“It's O.K. With Me”(TV放映時の“まあ、どうでもいいけど”は名訳)を連発、その台詞にシーンごとのニュアンスを持たせている。ラストは原作とは180度違うが表裏一体のものだ。マーロウ物としてはロバート・ミッチャムの「さらば愛しき女よ」と甲乙つけ難い出来栄え。アーノルド・シュワルツェネッガーがチンピラ役で出演。