名前のない少年、脚のない少女 (2009)

 
 
 
難解でした。
前半はほとんど意味がわからず
中盤になってやっと展開が見えてきたという感じで。
 
ネットに自作の詩を投稿するのが趣味の(名前のない)少年。
ある日投稿サイトで美少女の動画を見つけ
彼女の映像のとりこになってしまいます。
少女はすでに自殺しておりこの世にはいませんでした。
そして彼女と心中しながらも
死にきれなかった青年、ジュリアンが少年の前に現れます。
 
日本の中二病とでもいうのでしょうか。
学校にも家族にも無気力で無関心でプチ反抗期。
そして女性への憧れや性には目覚めていく年頃。
 
だけど好きになってしまったのはネットの中の女の子
画面から出てくることが出来ない(脚のない)少女。
少年は寝ても覚めても彼女のことばかり考えてしまいます。
勉強も何も手につかない・・・
 
たぶんこの作品のなかで重要な役割を果たしているのが
ボブ・ディランの「ミスター・タンブリンマン」という曲だと思うのです。
この曲を、歌詞を、理解しているひとなら
この抽象的な作品も理解することができるのかも知れません。
 
映像は美しかったですね、特に脚のない少女が素敵。
透明感のある肌、ガーリーなファッション・・
ネットでのコミュニケーションが当たり前となった現在
こういう初恋もありなのでしょう。
 

 
【解説】シネマトゥデイより
カンヌ国際映画祭批評家週間で最優秀脚本賞を受賞するなど、各国の映画祭で高く評価されるブラジルの新星エズミール・フィーリョ監督作品。インターネットに没頭する思春期の危うい少年を主人公に、10代特有の不安や哀しみ、不満や孤独が繊細なタッチでつづられていく。劇中の人物が実在するというユニークさと、陽気なセクシーさが連想されやすいブラジルのカルチャーの中にあって、異色の美しさを放つフィーリョ監督の映像美が見どころ。