水曜日のエミリア(2009)


 
 
「君は愛する人に厳しい」
 
夫の8歳になる連れ子を学校に迎えに行く日のこと。
普段は母親のもとにいるウィリアム(チャーリー・ターハン)ですが
水曜は父親のジャック(スコット・コーエン)の家に泊まりにくるのです。
憂鬱なエミリア
 
ヒロインのエミリアは女性の立場から見たならば本当に嫌なオンナ。
妻子がいるとわかっていながら職場の上司であるジャックに恋をします。
ジャックの妻がエリート医師であると知ったらライバル心むき出し。
若い身体と美貌を武器にジャックに近づきます。
ついには肉体関係を結び「家庭を壊すことが出来ない」というジャックに
「ピルを飲んでいたのに妊娠した」と告白します。
 
欲しいものは必ず手に入れてきた・・
そういうオンナなのです。
 
略奪婚。
ジャックと幸せになるはずだった。
なのに産まれた赤ちゃんが突然死してしまいます。
たった3日間の命でした・・・
 
悲しみ、喪失感、罪悪感
エミリアは周囲のやさしい人に対してさえイライラし
もがき苦しみます。
ここらへんのヒロインの心の葛藤は
子どもを失った経験のある女性であればとても共感するでしょう。
 
妊娠して赤ちゃんが産まれて成長していく・・
そう信じていたのに、あたりまえのことだと思っていたのに
実はそうではないのです。
死んでしまったのは自分のせいなのだと、自分自身を責めます。
決して消えない罪の意識。
 
ナタリー・ポートマン本人ではないかと思うくらいのピッタリのハマリ役ですね。
ヒロインと同じユダヤ系だしハーバード大卒業だし略奪婚だし女王様だし。笑
ジャックのようにそうとう寛容な男性でなければ付き合いきれないでしょう。
 
男の子は可愛かったですね。
あんなに口が達者なら言い負かされてしまいそうですが
親子というよりも友達感覚で過ごせて楽しいかもしれません。
 

 
【解説】allcinemaより
ブラック・スワン」でみごとアカデミー主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマンがその前年の2009年に自ら製作総指揮を務め主演したヒューマン・ドラマ。生まれたばかりの我が子を失い、悲しみから立ち直れないヒロインの揺れる心模様を等身大に描き出す。アイアレット・ウォルドマンの小説を「偶然の恋人」のドン・ルース監督が映画化。共演はTV「フレンズ」のリサ・クドロー
 ニューヨークで新人弁護士として働くエミリアは事務所の上司ジャックと恋に落ちる。妻子のいるジャックだったが、やがてエミリアは彼の子どもを妊娠、ジャックの離婚によって晴れて結婚にこぎ着け、幸せを手にしたかに思われた。しかし、幸せの象徴だった赤ちゃんは、生まれてわずか3日で突然死してしまう。悲しみに暮れるエミリアは、前妻との間を行き来するジャックの連れ子ウィリアムとも上手く関係を結べず、次第に追い詰められていく。