冬の華(1978)


 
 
 
「逢ったら・・そればっかり考えていたよ。
 出たら一緒に食事しよう、何よりも真っ先に逢いにいこうって。
 ・・・どうして逢えるなんて思ってたのかなぁ?」

 
組を裏切った兄貴分松岡(池部良)を殺し、服役した加納(健さん)は
松岡の娘洋子(池上季実子)に「ブラジルに住む叔父」として援助を続け
出所後、17歳に成長した洋子を遠くから見守ります。
 
池上季実子さん、美人ですけどとても高校生には見えません。笑
どう見ても、クラブのホステスかママにしか見えない。
もうすこしメイクの仕様があったでしょうに・・と思ってしまいます。
 
バイオリンを習いメルヘンなワンピースを着た女子高生の洋子。
(でも顔はお水・・苦笑)
彼女は「おしながおじさん」の加納を慕い、いつか逢えることを夢見ています。
一方の加納も美しく成長した洋子を見て、特別な感情を抱きます。
彼女のためやくざな稼業から足を洗い、堅気になろうとも思います。
 
しかし恩人だった親分の敵をとるために
また人を殺す羽目になってしまう加納。
やくざの筋の通し方しかできない男なのです。
 
ただ黙って世の中の理不尽にも、苦しみにも
決して結ばれることのない愛にも耐える。
昔気質で律儀で不器用でダメな男なのです。
 
健さんの渋さは全開でしたね。
トーストした食パンに、イチゴジャムをたっぷり・・
イチゴジャムをこれほど哀愁漂わせて男前に食べれる男は
世界に健さんしかいないです。笑
シャガールの絵を愛する老親分、藤田進さんもカッコよかったですね。
 
全編にわたってセリフもとても良かったです、気障で。
キャストも脇の脇まで贅沢、隅々まで豪華な配役で見ごたえあり。
なんと倍賞美津子さんが街の女ですからね、凄いですよ。
 
でも、全体的にはそれほど盛り上がらず並といった印象。
確かに渋くてカッコよくて気障な作品なんだけど
女子高生に胸ときめく健さんに、イマイチ感情移入できませんでした。
残念。
 

 
【解説】allcinemaより
 殺した相手の娘を気にかけ、伯父と偽り文通を続ける一方、堅気になれずヤクザの世界で破滅していく男の姿を描いたドラマ。関東の東竜会幹部、加納秀次は、会長を裏切り、関西の暴力団に寝返った松岡を殺害する。しかし、松岡には3歳になる洋子という一人娘があり、加納は洋子を舎弟の男に託して服役した。服役中、加納はブラジルにいる伯父と偽り、洋子と文通を続けその成長を見守る。やがて、15年の刑を終え出所した加納は堅気になることを決意するのだったが……。