「お前とは飲まん」
シリーズ5作目にして、一応の完結作
今までのシリーズが広能昌三(文太兄ぃ)と山守親分(金子信雄)の
対立が背景にあり、そのことで感情移入できたのですが
「完結編」で落とし前がつくわけでなく、完全に無視されています
天政会2代目会長武田の引退に伴い
武田組若頭である松村(北大路欣也)の
三代目就任の襲名披露までを描いたもの
広能をはじめ、武田(小林旭)、山守親分はあまり登場せず
愛着がわいてきた(笑)槙原(田中邦衛)は殺されてしまいます
これまでのシリーズの要の人物が不在で、寂しさを感じます
クライマックスは昭和45年に大阪西成区で実際に起きた
襲撃犯たちによる共政会三代目襲撃事件をリアルに再現したもの
実際の車はメルセデスベンツということですが
製作費の関係で中古のアメ車になっているそうです
しかし松村は一命を取り留め、襲名披露を実行します
そして広能は世代交代を悟り
長年のやくざ人生からの引退を決意するのです
シリーズ映画としてはトップクラスの出来でしょう
「完結編」まで失速することなく、ここまでリアルに
やくざ社会を描いたのは凄いと思います
最後に「仁義なき戦い 完」の文字が映し出されたときには
ジーン・・とくるものがありました
なのに同年には「新」シリーズを製作がされるとは(笑)
そしてついに東映の「お正月映画」になったそうです
【作品情報】Moviewalkerより