「この会場のみんなとセックスしたい!」
ロベルト・ベニーニ監督がアカデミー賞主演男優賞を受賞したときのはしゃぎっぷりは
作品の内容よりも強烈に覚えています。
この作品、改めて見直してみてとても感動しましたね。
公開当時に観たときよりも、はるかに。
その理由はひとつ、私自身が親になったからでしょう。
「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点」
「いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち」
「勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」
妻ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と息子ジョズエに対する、ただひたすらの愛。
家族を不安にさせないために、どんなに過酷な苦境であっても決して笑顔を絶やしません。
そして、家族を守る為に嘘をつき続けます。
その彼が唯一顔をゆがめるシーンがあります。
ドイツ人医師から解けない「なぞなぞ」の問題を問われる時です。
なぞなぞに喩えて伝えられたメッセージ。
グイドは最期まで陽気に振舞い、そして銃殺されてしまいます。
だけれど、タイトルは「ライフイズビューティフル」。
人種差別をなくすことも、世界を変えることも、ひとりの力では難しいですよね。
しかし、どんなときでも大切な人に愛を捧げることはできるのです。
そして、わが子の命を救うためならば自分の命など惜しくない・・・ほとんどの親はそうですよね。
嘘に嘘を重ねたグイドの言葉が真実になるラストシーンにはもう、ウルルン・・・
やさしさに溢れた作品でした。
お気に入りです。
【あらすじ】allcinemaより