ライフイズビューティフル(1998)

 
 
第71回アカデミー賞、主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞
トロント国際映画祭観客賞や、セザール賞外国映画賞など、数々の栄光に輝く名作。
 
「この会場のみんなとセックスしたい!」
 
ロベルト・ベニーニ監督がアカデミー賞主演男優賞を受賞したときのはしゃぎっぷりは
作品の内容よりも強烈に覚えています。
 
この作品、改めて見直してみてとても感動しましたね。
公開当時に観たときよりも、はるかに。
その理由はひとつ、私自身が親になったからでしょう。
 
「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点」
「いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち」
「勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」
 
ユダヤ系イタリア人であるグイド(ロベルト・ベニーニ)の
妻ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と息子ジョズエに対する、ただひたすらの愛。
家族を不安にさせないために、どんなに過酷な苦境であっても決して笑顔を絶やしません。
そして、家族を守る為に嘘をつき続けます。
 
その彼が唯一顔をゆがめるシーンがあります。
ドイツ人医師から解けない「なぞなぞ」の問題を問われる時です。
なぞなぞに喩えて伝えられたメッセージ。
 
グイドは最期まで陽気に振舞い、そして銃殺されてしまいます。
だけれど、タイトルは「ライフイズビューティフル」。
 
人種差別をなくすことも、世界を変えることも、ひとりの力では難しいですよね。
しかし、どんなときでも大切な人に愛を捧げることはできるのです。
そして、わが子の命を救うためならば自分の命など惜しくない・・・ほとんどの親はそうですよね。
 
嘘に嘘を重ねたグイドの言葉が真実になるラストシーンにはもう、ウルルン・・・
やさしさに溢れた作品でした。
 
お気に入りです。
 

 
【あらすじ】allcinemaより
カンヌ映画祭審査員グランプリに輝いた、ロベルト・ベニーニ監督・脚本・主演の感動作。ナチの強制収容所に収監されたある一家の物語を、ユーモラスかつ温かな視点で描く。“イタリアのチャップリン”と称される、ベニーニのユーモアと哀しみを交錯させた演出が秀逸。1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校の教師ドーラに恋をする。彼の純粋さに惹かれた彼女は結婚を承諾。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていた。そんなある時、彼らに突然強制収容所への収監命令が下る。