サンドロ少年がとにかく可愛い。
映画の中で、本当に暖かい日差しのような存在です。
気難しい父親も、失業中で不良の兄も、男性問題を抱えた姉も
この末っ子だけには甘い・・その気持ちがよくわかります。
そう、どんなに落ちぶれてダメな自分でも、愛していてくれるから。
サンドロはどんなときでも味方なのです。
機関士仲間のリベラーニとか、酒場のウーゴなど脇役も良かったですね。
言葉が少なくても人情が感じられます。
母親のサラがサンドロに言うセリフは辛いです。
「一緒に住んでいても、ろくに話もしないとお互いの気持ちが通わず、
ちょっとしたことでいがみ合うのよ」
「ちょっと話せば済むことなのに・・」
「家族がみんなバラバラなのよ」
「泣いちゃいやだ!」
母親を抱くサンドロ・・
(くっすん)
子どもは親の所有物じゃないのに、ついつい親は思い通りにしようとします。
もちろん、わが子の事を思ってですが。
でも、それがかえって親子の溝になることは
どこの家庭にでもありえるのではないでしょうか。
そして、家族の間の傷は
他人とのそれより修復が難しいものなのかもしれません。
ラスト、父親のアンドレアは家族の愛と、仲間の人情に包まれます。
頑固で気難しい男だったけど
ただひたすら機関士として働いたことへの
神様からのご褒美だったのかも知れません。
【解説】allcinemaより