原題の「Something's Gotta Give」(何かを諦める、妥協する)には
「このままじゃいけない」「(良い方向に)変わらなきゃ」
という意味もあるそうです
まさしく恋愛にも、仕事にも言える言葉ですね
テーマはシニアの恋愛とセックス
これって見ようによってはイタいか
気持ち悪くなる可能性が高いんですけど(笑)
さすがナンシー・メイヤーズといいますか
ダイアン・キートンの魅力もあって
とても女性が共感できる内容になっています
特にダイアン・キートンが人生初の大失恋をしてしまい
朝から晩まで好きだった人を思い出しては
泣いて、泣いて、泣いて、泣いて
仕事で気持ちを整理していくシーンなんか
本当にあるあるだと思います
そして男はいつも気付くのが遅い(笑)
女は男を待たせても、男を待たない種族だということを
お忘れないように(笑)
63歳になるハリー(ジャック・ニコルソン)は
未婚で裕福、レコード会社など10社以上所有するオーナー
20代の若くてスタイル抜群で、美人な女性としか交際しない主義
新しい恋人のマリン(アマンダ・ピート)と週末を過ごすため
マリンの家が所有しているビーチハウスに行くと
突然マリンの母親エリカ(ダイアン・キートン)と
叔母のゾーイ(フランシス・マクドーマンド)がやって来ます
しかも気まずい夕食のあと
マリンとベッドインしようとしたハリーを心臓発作が襲います
救急車で病院に運ばれ、バイアグラを飲んでいたため(笑)
副作用をおこす危険があり有効な投薬治療が行えない
主治医のジュリアン(キアヌ・リーブス) はハリーに絶対安静を命じ
ハリーはしばらくの間ビーチハウスで過ごすことになります
週明けマリンは仕事でニューヨークに戻ってしまい
劇作家で堅物で年増のエリカとふたりきり
しかも部屋を間違えてエリカの全裸を目撃してしまう
彼女に興味もないし、干渉はしたくないけど
退屈でしょうがない
ハリーはエリカをチャットや、パジャマパーティに誘い
一緒に海辺を散歩したりするようになります
するとさりげない気遣いや、ユーモアのセンスなどエリカの魅力に気付き
エリカもハリーの意外な優しさに打たれ、お互い惹かれ合うようになります
ふたりの「いい感じ」に気付いたマリンは
ハリーとセックスはしていない、ママのほうがお似合いだと言い
ハリーに別れを告げます
そうしてエリカとハリーは自然と肉体関係を持ち
(セーターをハサミで切るプレイや、高齢で妊娠しないメリット 笑)
50歳を過ぎてセックスの悦びを知ったエリカ
しかしハリーは「眠るため」と自分のベットに戻り
誕生日をパリのレストランでやりたいと打ち明けても
乗り気ではありません
エリカは大人の対応で、笑って感情を押さえ
回復したハリーはニューヨークに戻ってしまいます
そんな時、元夫が若い女医と再婚することになり
ショックを受けたマリンが再婚相手との食事会にエリカも誘います
そこでも大人の対応のエリカでしたが
ショックを受けてしまいます
ハリーに「愛している」と打ち明けるエリカ
しかしハリーはすぐに応じることをしませんでした
本気なのは私だけだった・・
ビーチハウスに戻ったエリカは何週間も泣き続け
ハリーとの出会いを作劇することにします
劇が完成したころエリカの傷は癒え
エリカの大ファンであり、女性としても崇拝している
ジュリアンとの新しい恋が待っていました
(あんなふうにキスをおねだりされたら堪らないよね 笑)
エリカの「愛すべき女」(ハリーの口癖)の公開決定を知り
リハーサル中のエリカに会いに行くハリー
ハリーは物語がふたりの個人的な内容であるうえ
自分のキャラクターが死んでしまうことにショックを受けます
再び激しい胸の痛みで病院に運ばれますが
医師は心臓ではなく、ストレスによるパニック発作(恋の病)だと告げます
半年後、エリカの舞台が公演されると大成功
ハリーが楽屋にお祝いに行くとマリンがいて
マリンに過去の無礼を謝罪すると
彼女はすでに結婚し妊娠もしていて、今はとても幸せだと答え
エリカが誕生日を祝うためパリにいることを教えてくれます
誕生日をパリのレストラン祝うのがエリカの夢だった
彼女の希望を何もかもはぐらかしてきた自分
今度こそ叶えてみせる
でもパリでエリカといたのはジュリアンでした
そこに老眼鏡のエピソードが効いてくるんですよね
若い人にはわからない不自由さ、不便さ
それを理解し合えるのは同世代だからこそ
愛しているのと、人生を共にするパートナーは別のもの
そこに自分の入る隙間はない
ジュリアンはエリカから身を引くことにします
やがてマリンに赤ちゃんが産まれ、孫を抱くエリカとハリーの姿は
まるで長年連れ添った夫婦のようでした
ちなみに日本でいう「老いらくの恋」とは
「墓場に近き老いらくの 恋は怖るる何ものもなし」
という68歳で弟子の人妻と駆け落ちし、自殺(未遂)した歌人
川田順の句から生まれた言葉だそうです
さらに川田順は自らの女性遍歴を記録した「葵の女」という自叙伝も書いていて
なんだか上流社会の男性のやることには
世界共通なものを感じますね(笑)
【解説】映画.COMより
若い女性との恋愛遍歴を重ねる中年男性が、交際相手の母親に心惹かれ、そんな自分にとまどう大人のラブ・コメディ。主人公は主演、助演合わせて3度のオスカー受賞歴を持つジャック・ニコルソン。彼が恋する同世代の女性役のダイアン・キートンは、本作でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞、オスカーでも同賞にノミネート。監督は「ハート・オブ・ウーマン」でも大人の恋愛をコミカルに描いたナンシー・メイヤーズ。
2003年製作/128分/アメリカ
原題:Something's Gotta Give
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2007年3月27日