アニー・ホール(1977)




クドくて、しつこくて、イヤミで、女好きなウディ映画。
でも毒×毒は良薬になるのか
結局、結構素敵な映画に仕上がっているのよね。
その中でもこれはラブストリーとしても
私にとっては逸品。

ウディは自分はチビだし、てっぺんハゲだし、顔もブサイクだけれど
女性はとにかくチャーミングに撮る。
ウディの前では女性は綺麗になり、そして輝く・・
女性の殻を剥ぐ、研磨剤のような監督だと思います。

ラルフ・ローレンのマニッシュな衣装に包まれて
今見ても十分なファッション・バイブルになっています。
当時は「アニー・ファッション」と呼ばれたそうですね。
ボーイッシュだけれど可愛らしさに溢れています。

そして、とにかく男の頭で考える本音が
そのまま口をついてでてきます。

でも、自分の正直な気持ちに対して
女性の思いは全く違う!
俺のほうが正しいのになぜ?

でも、そこはウディ。
とことん自己主張しながらも
折れているんですね(笑)
そこがモテる秘訣なのかな?
最終的には女性を尊重し、立てる。

男を知りたい女性が
女を知りたい男性が
何度も見れる作品だと思います。
ウディは映画界の哲学者だから(笑)

女性の美しさはフランス映画に学べ!が私の格言ですが(笑)
女性の魅力はウディ映画で学べ!でしょう。

お気に入りで。



【解説】allcinemaより
ニューヨークを舞台に、都会に生きる男女の恋と別れをペーソスと笑いで綴るアレンの傑作ラブ・ストーリー。うだつの上がらないスタンダップ・コメディアン、アルビー(W・アレン)は、知り合った美女アニー(D・キートン)と意気投合して同棲生活を始めるが、うまくいくのは最初だけ。次第に相手のイヤなところが気になり出した二人の間には見えない溝ができ上がっていた。そしてアニーの前に現れた人気歌手のカリフォルニアへの誘いが二人の仲にピリオドを打つ決定的なものとなった……。心の声を字幕で流してみたり、いきなり本筋と関係ない人物が現れたりと、ユニークな手法も尽きないが、根底にあるのはアレンのしっかりとしたタッチ。タイトル・ロールを演じるD・キートンが主演女優賞に輝いた他、アカデミーでは作品・監督・脚本賞を受賞している。