スノーデン(2016)

原題は 「Snowden

NSA(アメリカ国家安全保障局)および

中央情報局 (CIA) の局員だった エドワード・スノーデン

国際的監視網(PRISM)による違法情報収集を

「ガーディアン」誌に暴露しロシアに亡命した事件

2013年、香港のホテル

スノーデン(ジョゼフ・ゴードン・レヴィッド)に

ドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラス

ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド

「ガーディアン」誌のユエン・マッカスキルが呼ばれます

新聞社からの告発、という映画は多くありますが

内部告発者が主人公というのは珍しい

 

スノーデンは国際的監視網(PRISM)による

違法な個人情報収集や悪質な盗聴、盗撮

さらに自分や、自分の恋人までが監視されていることを知り

我慢できなくなったのです

(優秀なプログラマーなのに、そんなことも予知できない謎)

でも特定の個人を監視をしようと思えば出来る、というシステムに

今さら驚くことはありませんでした

CIAのシステムを使うまでもなく

商店街やコンビニにどこの家の玄関先にも防犯カメラは設置され

誰かの車のカーナビにも私たちの姿は映り込み

許可なく保存されているのです

私がそれより怖いと思ったのは

日本がアメリカの意向にそむいたら、横田基地でエンターキーを押すだけで

日本中を停電させることが出来るということ

日本のインフラすべてをストップさせることが可能なのです

システムに頼りすぎる恐ろしさと

あくまで日本はアメリカの人質であり続けるという真実

もうひとつは、イスラム教で金融界の大物の親族の盗撮シーン

若い女性がブルカを取り、服を脱ぎ下着姿の

スケベ心としか思えないのぞき見

女性に対してはもちろん、宗教への冒涜は

道徳的に許せるものでありません

これにはさすが、使い終わったノートパソコンは必ず閉じるか

カメラに目隠しをしなければいけないと思いました

高校を中退したスノーデンは、911同時多発テロ事件に衝撃を受け

国を守るため軍隊に入隊しますが怪我のため除隊

その後CIAにコンピューター技師としての能力を認められ採用されます

さらにネットで知り合った日本アニメ好きでリベラル派の

リンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)とも付き合い始めて順風満帆でしたが

ニコラス・ケイジは何を示すためにご登場? 笑)

横田基地NSA施設に派遣された時のこと

同僚のソルから、任意の検索ワードで世界中のチャットやメール

その発信者のデータをすべて閲覧できるシステムを教えられ

仕事に疑問を持ち始めます

リンゼイに仕事の内容を打ち明けることもできず

さらにスノーデンは忙しかったりストレスが溜まると

ひとりでコンピューターゲームにはまってしまう、あるある(笑)

怒った彼女はメリーランドに帰ってしまいます

帰国後、スノーデンはリンゼイを迎えに行き復縁しますが

てんかんの発作で倒れてしまい

医師からストレスを溜めないよう診断されます

次の赴任先はハワイで中国のサイバー対策

スノーデンを心配したリンゼイはハワイについて行くことにします

ハワイでソル(ベン・シュネッツァー)と再会し

実際の任務は携帯電話のSIMハッキングをして指示された人物を追跡

軍のドローンでの攻撃の仲介をすることでした

大量殺人に関わることに反感を覚えるスノーデン

リンゼイと参加したバーベキューパーティー

誰かが飛ばしたドローンを見ると、攻撃されると思ってしまい

再びてんかん発作をおこすスノーデン

副作用で頭の働きが鈍くなることを心配して、薬の服用を止めていたのです

怒るリンゼイ

さらにポリグラフ検査でアメリカへの忠誠心に異変が見られると

上司から警告を受け、リンゼイを監視していたことが伝えられます

スノーデンはリンゼイにメールや通話が全て知られていることを告げると

いつも通り行動するよう言い

CIAによる違法な集団監視を公表することを決めます

監視プログラムのデータを全てコピーすると

同僚パトリック(ラキース・リー・スタンフィールド)の助けもあり

ルービックキューブにマイクロSDを隠すと

持ち出すことに成功するのです

スノーデンの一方的な供述なので(笑)

データーを盗んだこと以外は、どこまで真実か

私的には疑問に思いましたね

香港からロシアに亡命したとき

どのような過程や取引があったのか、まったく語られていない

あまりにスムーズで、恋人まで受け入れるなんて出来すぎているし

住宅や生活費もロシア当局が用意したとしか思えない

むしろそちらの逃亡劇のほうを

オリバー・ストーンには掘り下げてほしかった

もしかしたらスノーデンは

ロシアのスパイだったのではないかとさえ疑ってしまいます

もし違うのなら、今のロシアで何を思うか聞いてみたいものです

 

 

【解説】映画.COMより

ハリウッドを代表する社会派監督オリバー・ストーンが、アメリカ政府による個人情報監視の実態を暴いた元CIA職員エドワード・スノーデンの実話を、ジョセフ・ゴードン=レビット主演で映画化。2013年6月、イギリスのガーディアン誌が報じたスクープにより、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的監視プログラムの存在が発覚する。ガーディアン誌にその情報を提供したのは、アメリカ国家安全保障局NSAの職員である29歳の青年エドワード・スノーデンだった。国を愛する平凡な若者だったスノーデンが、なぜ輝かしいキャリアと幸せな人生を捨ててまで、世界最強の情報機関に反旗を翻すまでに至ったのか。テロリストのみならず全世界の個人情報が監視されている事実に危機感を募らせていく過程を、パートナーとしてスノーデンを支え続けたリンゼイ・ミルズとの関係も交えながら描き出す。

2016年製作/135分/PG12/アメリカ・ドイツ・フランス合作
原題:Snowden
配給:ショウゲート
劇場公開日:2017年1月27日