エスター ファースト・キル(2022)

原題は「Orphan: First Kill

オーファンとは「孤児」のこと

異形のホラーサスペンス「エスター」(2009)の前日譚

 

前作では12歳だったイザベル・ファーマンが9歳(31歳)を演じ

13年後25歳で9歳を再び演じる

できるだけCGに頼らず、昔ながらの物理的なトリックを駆使した技法で

頭部分と下半身の部分を合成

後ろ姿は本物の子役

大人役は超厚底靴で調整したということ

 

メイクやコンタクトレンズ

もっと子どもっぽい顔にも出来たと思うのですが

あえてそうはしなかったのかしら

正直、前作の意外性を超えることは出来ていないし

ツッコむところも多々ありますが(笑)

普通に楽しめるし、物語的にきちんと繋がっていました

 

まあ「ファースト・キル」といっても

確実に5人殺していますけど(笑)

エストニアの精神病院

アートセラピーの教師として赴任することになったアナ

突如警報が鳴り、この院で一番危険なリーナ(イザベル・ファーマン)

部屋にいないと騒ぎがおこります

教室の奥一人の少女が絵を描いている

アナが話しかけるとその少女こそがリーナでした

リーナが鉛筆を持ち替え殺しの準備にかかると、医師たちがやってきて

医院長はリーナは成長ホルモンの病気で10歳で成長が止まっ成人女性で

天才的な詐欺師の危険人物だと説明します

 

リーナはひとりの警備員を誘惑し

黒いドレスを届けさせ(首と両手首に拘束具でついた跡がある)

「お礼をしたいの」の病室に招き入れます

気を許した警備員を撲殺し

飴ひとつで手懐けていた患者に追って来た警備員を襲わせ

盗んだカードで病院を脱出

アナが家に着くと、車のトランクが空いており

次の瞬間リーナに殴られ殺されてしまいます

リーナはアナの部屋のパソコンで

4年前行方不明になった少女エスター」を見つけます

 

アナの車でロシアまで行き、ひとりで公園にいるところを警察に保護

自分はエスターと言う名で、アメリカ人だと伝えます

ロシアまでエスターを迎えに来た母親は(ジュリア・スタイルズ)は

「私の娘に違いない」と言い

飛行機では携帯の写真を見せながら、家族について話します

祖父母の写真を見て「早く会いたい」と言うエスターに

怪訝な顔で「もう亡くなっているでしょ」と答える母親

トイレに行き自分のミスにキレ、次の瞬間にっこり微笑む(笑)

アメリカに到着したエスターは

父親(ロッシフ・サザーランド)と兄のグンナーに迎えられ

特に父親はエスターが見つかったことを喜んでいました

家庭的な良い夫に戻り、活気的になり、絵の制作も再開します

エスターの捜査をしていた刑事だけは

彼女が本物のエスターか疑問を抱いていました

エスターの部屋からレコードを盗み、指紋を採取すると一致しませんでした

レコードがなくなっていることに気付いたエスターは

刑事の住所を調べ殺しに行きますが、捕まりそうになり

その時銃声が響き刑事が倒れます

撃ったのは母親でした

出ていくから見逃してくれと言うエスターに

二度も子どもを失踪させるわけにいかない

4年前エスターは兄のやりすぎによって

父親は良い血筋の家の人間で、問題を起こすわけにはいかない

エスターの死体を隠し、失踪したことにしたのだと言います

母親も兄も、最初からエスターが偽物だと知っていたのです

母親幸せな家庭を装うため、他人を欺き協力しあうことを求めます

しかしエスターは彼女を溺愛している父親のことを

異性として慕うようになっていきます

(ブラックライトで照らすと別の絵が浮かび上がる手法は父親から身につけた)

 

そのことに気が付いた母親はエスターをそうと画策

食事に睡眠薬を入れますが、エスターは部屋で食べると言い

可愛がっていた?ネズミにあげてしまいます

ネズミは死に

翌朝エスターは自分で朝食を作り、母親にはスムージーを勧めます

母親は拒否しますが、父親に促されひと口飲むと

中にはネズミの死骸が入っていました

展覧会の準備で出張することになり

母親とエスターを殺すことにします

そのことを察したエスターは、父親の見送りに行った駅で

ふたりをホームに転落させようとしますが

駅員に「あぶないよ」と止められ、殺そうとしたことがバレてしまいます

母親の車を奪って逃げるものの、警察に止められ家に返されてしまう

父親のアトリエに逃げるエスター、追う兄

その時、母親の携帯に父親から出張をやめて帰るという電話が入り

エスターが警察に保護されたという知らせが父親にも入った)

焦った母親がアトリエに行くと、兄はボウガンで撃たれ死んでいました

発狂する母親

エスターは台所のガス栓を全開にして逃げ台所から火が上がりま

母親はそんなことも気にせずエスター揉み合

エスターは屋根の上へ逃げ、母親が追いかける

家に着いた父親は火が上がっている家屋根にいるふたりを見つけ

助けに行こうとすると

格闘のうえ、ふたりは屋根のヘリにぶら下がり

母親はこの子はエスターじゃない、偽物で成人している」と叫び

エスターは母親の言っていることは嘘だと訴えます

父親はエスターに手を差し伸ばし、母親は屋根から落下

父親に抱きつくエスター、しかしその瞬間入れ歯が取れてしまいます

「お前は誰だ」と言う父親に「私とならうまくやれる」とエスター

父親拒絶し、バランスを崩し屋根から落ちてしまいました

火の粉が舞う家から出たエスターはそのまま保護

身寄りのななくなった可哀そうな孤児として

孤児院に預けられることになりました

 

あんな名家なのにに親戚はひとりもいないとは

しかも遺産はがっぽりのはずだよな(笑)

 

 

解説】映画.COMより

孤児院から養子として、ある一家に迎え入れられた少女エスターが巻き起こす恐怖を描いたホラー「エスター」のシリーズ第2弾。エスターが孤児院に入る前の前日譚が描かれる。裕福な一家、オルブライト家の一人娘で6歳のエスターが行方不明になってから4年の月日が流れた。ある日、エスターが見つかったという朗報が警察から届けられる。父、母、兄は数年振りの再会という奇跡にこの上ない喜びを感じ、10歳に成長したエスターを迎え入れる。再び4人そろって幸せな生活を送ることができる。家族の誰もがそう思っていたが、4年ぶりに戻ってきたエスターは何かが変わってしまっていた。
2009年製作の前作では当時12歳で同年代のエスターを演じたイザベル・ファーマンが、25歳で少女エスター役を再び演じるほか、ジュリア・スタイルズ、ロッシフ・サザーランド、マシュー・アーロン・フィンラン、ヒロ・カナガワらが脇を固める。監督は「ザ・ボーイ 残虐人形遊戯」のウィリアム・ブレント・ベル。

2022年製作/99分/R15+/アメリ
原題:Orphan: First Kill
配給:ハピネットファントム・スタジオ