シリーズ2作目
原題も「FROM RUSSIA WITH LOVE」
公開時の邦題は「007/危機一発」
これは最高のオープニング・タイトル
デザインはロバート・ブラウンジョン
(ストーンズの「レット・イット・ブリード」のLPジャケットで有名)
ベリーダンスする女性の身体に映し出される文字が抜群のセンス
次作「ゴールドフィンガー」(1964)のオープニングも担当しています
スペクターNo.1は、チェスの名人スペクターNo.5と
元ソビエト情報局(通称スメルシュ)の局長であり
今はスペクターNo.3のクレッブ大佐を呼び出し
スペクターNo.4 、ドクター・ノオの復讐のため「ボンドの抹殺」と
「ソビエトの暗号解読機レクターの略奪」を命じます
さらに「ボンドを殺したのはソビエト」で
「レクターを盗んだのはイギリス」という工作をし
両国の関係を悪化させようとしていました
スペクター (spectre)とは"幽霊" や "化け物" という意味ですが
ここでは「SPecialExecutiveforCrimeTerrorRevengeandExtortion」
(犯罪、テロ、復讐、恐喝のための特別執行部) の略
が、スペクターNo.5が失敗
このままでは後(命)がないスペクターNo.3は
ソビエト情報局長だった立場を利用し
ソビエト情報局の女性情報員タチアナ・ロマノヴァに
「暗号解読機レクター」と引き換えにタチアナが亡命を要請し
その仲介人にボンドを使命することでした
「レクター」が欲しいM16のトップ、M(バーナード・リー)は
何かの罠だと感じながらも、ボンドを派遣することにします
難色を示したボンドでしたが、タチアナの写真を見たとたん
すぐに快諾(笑)
イスタンブールに向かったボンドは、タチアナに会い
トルコの有力者でMI6の支局長ケリムと共に
急行列車でタチアナの亡命に同行
その夜クレッブ大佐に雇われた殺し屋グラントにケリムが殺され
食堂車でグラントがタチアナのワインに睡眠薬を入れ眠らせたり
ボンドが金貨でグラントを買収しようとしたり遠回りな展開(笑)
007といったら、列車での格闘シーンはなかなかの見ごたえ
踏切で立往生した(グラントを迎えに来た)トラックのため列車は急停止
ボンドは荷台にタチアナを乗せトラックを奪いベニスに逃れます
あくまで“祖国の命令”だと信じているタチアナは
クレッブ大佐の指示通り身体と色気を使い、ボンドを誘惑しますが
ホテルの部屋に掃除のオバサン姿で現れたクレッブ大佐は
ドリフのコントにしか見えない
(靴ナイフが脚の長さとあっていないだろ 笑)
クレッブ大佐がスペクターの一員であることを知ったタチアナは
ボンドに協力するようになります
MI6に集まった専門家が、手に入れた「レクター」が
本物かどうかを確かめるため録音を検証しようとすると
流れた音声は「ジェームズ、英国でも愛してくれる?」の
ピロートークでした(笑)
ブロフェルド(スペクターNo.1) (声エリック・ポールマン)
スペクターの愛猫は白のペルシャ猫ですが
ドン・コルリオーネの愛猫はコッポラ監督が撮影現場で見つけ
(なぜかマーロン・ブランドに懐いた)野良猫だったそうです
ローザ・クレッブ大佐(スペクターNo.3)(ロッテ・レーニャ)
クロンスティーン(スペクターNo.5)( ヴラディク・シェイバル)
シルビア(ユーニス・ゲイソン)
前作に続きボンドのガール・フレンドで
イイところで指令が入りボンドに追い返されてしまう(笑)
マニー・ペニー(ロイス・マクスウェル)
M (バーナード・リー)
Q (デスモンド・リュウェリン)
今回の秘密兵器はシンプルに仕掛けアタッシュケース
鍵を開ける手順を間違えば催涙ガス噴射
仕込みナイフ、赤外線照準器付きアーマライトAR-7
隠し金貨50枚
レッド・グラント(ロバート・ショウ)
ケリム・ベイ(ペドロ・アルメンダリス)
タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)
撮影当時21歳
清楚な美貌と、従順なキャラで日本では人気ナンバーワン、ボンド・ガール
イスタンブールの異国情緒たっぷりのロケーションに
(ロマ女は決闘”キャットファイト”で勝ったほうが男を選べる? 笑)
ヘリコプターによる襲撃、モーターボートの追跡など
映画史に残る名アクションの数々
オールド・ムービ・ファンからはシリーズ最高傑作と名高い名作で
「007」シリーズの礎となった記念碑的作品とも言えるでしょう
【解説】allcinema より
英国情報部に、ソ連情報部のタチアナという女性が亡命を希望してきた。彼女は手土産に、最新式の暗号機を持ち出すという。そして、彼女自身の希望で、ジェームズ・ボンドが派遣されることになった……。国際的犯罪組織スペクターが仕組んだ、英ソ間を巻き込む陰謀との闘いを描く。オリエント急行で繰り広げられる、R・ショウ演じるロシアの殺し屋との戦いや、ヘリやボートを駆使した機動的なアクション・シーン、ボンドガール歴代No.1の呼び声も高いD・ビアンキの魅力などなど、エンタテインメントの要素がフルにつまった、これぞ007の代表的傑作。マット・モンローの歌う主題歌も大ヒットとなった。