SF映画を思わせる邦題ですが(笑)
原題は「THE GREAT ZIEGFELD 」(偉大なるジーグフェルド)
1896年から1931年の間
50本以上のブロードウェイのステージをプロデュースし
数々のスターを発掘したことでも有名な
フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニア(1867~1932)がモデル
第9回アカデミー賞では7部門ノミネート
作品賞、主演女優賞(ルイーゼ・ライナー)、ダンス監督賞を受賞
が、作品そのものの評価より
今では映画にまつわるエピソードのほうが有名で
製作費は218万ドルを超え、その金額は
実際の"ジーグフェルド・フォリーズ" よりを上回り
「オスカーを金で買った」とか
ルイーゼ・ライナー(の2年連続の受賞)は
「オスカー史の謎」と揶揄され
(受賞するなら美術賞のほうだ 笑)
ライナー本人も、身に余る重責から消息不明になったり
離婚してしまったり(夫は脚本家のクリフォード・オデッツ)
MGMを解雇されたり、その後の人生はまるでヒロインのようで
「オスカーの呪い(オスカー・カース)」と呼ばれたそうです
かといって決して駄作ということではなく
ひとこと感想は、さすがMGM、これぞMGM (笑)
ファニー・ブライス はなんと本人役で出演
(バーブラ・ストライサンドの「ファニー・ガール」のモデル)
最大の見どころは豪華絢爛なショー
巨大なウェディング・ケーキのような舞台や
(首の筋肉を相当使う 笑)派手な衣装には
呆気にとられてさえしまいます
そこにジーグフェルドの、ショープロデューサーとしての
生き様が描かれていきます
この男、アイディアを生みだすセンスと才能はあるけど
とにかく女好き(プレゼント好き)で、金銭感覚が全くない(笑)
借りた金は返さず、衣装代は払わず、にもかかわらず、金を湯水のように使う
なので何度も破産を繰り返します
だけど新しい舞台を作ろうとするたび、助けてくれる人間が現れる
これが本当なら、相当魅力のある人間だったのでしょう
そんなジーグフェルドも、最後は株に投資してしまい
世界恐慌をきっかけに財産を失い
ショーでも収益を得られないまま、胸膜炎で逝去(65歳没)
おっさんたちへの、粋な「華麗なる復讐」や
同じショービス界で成功し、株で失敗した
古い友人が慰めるシーンは感動的ではあったものの
ジーグフェルドの死後、彼の残した借金を返すため
現実でも20年以上休まず働いたそうです
【解説】allcinema より
1893年シカゴ湾で、怪力男サンドーの見せ物興行をうっていたフローレンツは、彼の腕の筋肉をご婦人方に触ってもらうサービスを始め好評を得て、以来、サンドーで大いに売り出すがそのショウでいんちきをやって総スカン。すると今度は、何かと覇を競っていた興行師ビリングズを出し抜いて、フランスの歌手(ライナー)をスターにして、彼女と結婚。という前段がちょっとモタモタするが、MGMの豪華趣味の権化みたいなレビュー場面の数々に度胆を抜かれる、天才的舞台製作者F・ジーグフェルドの伝記映画。特に彼が考案したいわゆる“ジーグフェルド・フォリーズ”の最初の公演場面で、巨大なウェディング・ケーキのようならせん階段のついた円錐形の回り舞台にワン・ショットで展開される、世界各地の名曲を盛り込んだナンバー(セット・デザインはC・ギボンズ)には呆気にとられた。生涯女出入りが激しく、資金の苦労につきまとわれたジーグフェルドにW・パウエル、彼の晩年の糟糠の妻ビリーにM・ロイと、当時人気絶頂だった「影なき男」シリーズの名コンビがやはり夫婦役で組んだのはご愛敬。ファニー・ブライスなどのジーグフェルドのショウ出身のスターが、本人役で顔を出すのが嬉しい。アカデミー作品賞他を受賞。