原題は「Fúsi 」(フーシ=主人公の名前)
フーシはアイスランドの空港で働く40代男で
美容師の母親と2人暮らし
ミリタリーヲタクでヘビメタ好き
趣味はジオラマとラジコン
その巨漢な容姿のせいで職場の若い同僚からバカにされ
都合のいいように利用されています
マイノリティ差別って人種や性的少数者に限らず
ごく一般の普通の人間にもあるんだと教えられる
日本でのキャッチコピーも「43歳 デブ オタク ドウテイ」
作中のフーシを虐めている奴らと同じ感覚に、むかつく
母親に新しい恋人ができて、引きこもりがちなフーシに
女性との出会いを期待してダンスチケットのプレゼントします
渋々行ってみると天気は大荒れ、シェヴンと名乗る小柄な女性が
家まで送ってくれないかとフーシの車に乗り込みました
そうしてふたりはドライブしたり食事するようになり
フーシは付き合っているつもりになってしまい
エジプト旅行に行くことを提案しますが
突然シェヴンから「勘違いさせてごめんなさい」と
打ち明けられてしまいます
醜男なのにキャバクラに行ったら意外とモテるみたいな(笑)
フーシもそんなお人好しだけど、賢そうな男
なので近所の子どもたちからも好かれてしまう
だけど、その気になれば女性から振られ
子どもに優しくすれは、子どもの親から変質者扱い
でもフーシは自分のことをよく知っていて
自分の身に降りかかる不幸を真摯に受け止め
決して相手を攻撃しません
有休を使い、鬱になったシェヴンの代わりに清掃会社で働き
シェヴンのために家事をして猫の面倒を見る
清掃会社で働く皆はいい人で、試合観戦に誘ってくれたり
ビールをおごってくれたり
悪いことのあとには、ちょっと善いことがある
そんな「救い」の見せ方がうまい
やがて回復したシェヴンから「一緒に暮らそう」と言われ
フーシが引っ越ししたその日
またもやシェヴンの気が変わってしまう(双極性障害)
それでもフーシはシェヴンにやさしい
マイノリティにしかわからない
マイノリティであることの辛さ
フーシはシェヴンがやりたがっていた花屋の鍵をポストに入れ
ひとりエジプト行きの、初めての飛行機に乗り笑ってしまう
決してハッピー・エンドではないけれど
フーシの成長を感じられるラストにほっこりした気分
気が付けばこんな彼氏が欲しい、と思わせてくれます(笑)
【開設】KINENOTEより
アイスランドを舞台に、オタクでシャイな大男の恋の行方を綴ったラブストーリー。空港の荷物係として働くフーシは、ジオラマ製作とヘビメタ音楽好きな43歳の独身男。母親から勧められ、ダンススクールを訪れたところ、小柄な女性シェヴンと出会うが…。主演は“アイスランド版モンティ・パイソン”と呼ばれる風刺番組の主要メンバーとして活躍したグンナル・ヨンソン。