原題は「Adieuau Langage」(さらば、言葉よ)
さすがゴダールといった感じですが、かなり玄人向きで
天才監督なれど、陰気で、無表情で、女性に全くモテなかったというゴダール
それでも「勝手にしやがれ」のヒットにより
あこがれのアンナ・カリーナと結婚
しかし結婚後カリーナは自殺未遂をしたり
自分の洋服をズタズタに切り裂いたり、精神的にボロボロになっていき
ゴダールもカリーナとの結婚生活に苦悩し、やがて離婚
しかし離婚が成立すると、カリーナは映画監督をしたり
小説を発表したりと、アーティストとして勢力的に活動
永遠のアイドルとして、見事に復活を遂げます
その頃のゴダールは映画よりも政治運動へと傾倒していき
古くからの友人たちまでも傷つけ、孤立していきます
そんな時、マルコ・フェレーリ監督からアンヌに主役のオファーが舞い込み
ふたりはそれぞれの現場で離れて仕事をするようになります
しかしそれが原因でゴダールはアンヌの浮気を疑いはじめ
夫婦喧嘩が絶えなくなり、ゴダールは自殺まで図ってしまいます
その後、非公式ですがアンヌ=マリ・ミエヴィルというスイスの女性と結婚
タイトルの「さらば、言葉よ」の通り
そして一方で
妻と独身の男。
ふたりは愛し合い、喧嘩し、一匹の犬が町と田舎を彷徨う。
言葉をめぐり季節は過ぎ去り、男と女は再び出逢う。
前夫が全てを台無しにし、第二のフィルムが始まる───
【3D】によって緊張感を増す“男と女”の関係、
町や四季折々の森を一匹の“ウェルシュ・シープドッグ”が
スクリーンを伸びやかに駆け巡り、“言葉”が立体的に紡がれていく。83歳になる世界の巨匠ゴダールが初めて【3D】で長編を描いた野心作に、審査員特別賞のほか、本作の重要な役割を演じた愛犬ロクシーに“パルムドッグ審査員特別賞”が授与され、「これはゴダールの遺言である」(ル・モンド紙)、「ゴダールの想像力は完全無欠だ」(ウエスト・フランス紙)とメディアも絶賛。
半世紀以上前、スタジオ撮影が当たり前の時代に『勝手にしやがれ』でカメラを屋外に持ち出し、街の空気感をそのままスクリーンに映し出して世間を驚かせ、カメラワーク・演出・台詞・編集・俳優の扱い方に至るまで、映画革命を起こしたゴダールが今、新旧の技術を斬新に組み合わせた“映画芸術”として【3D】の可能性に挑み、左右の目にそれぞれ異なる映像を配するなど遊び心たっぷりに【3D】を変革する衝撃作!
「常に処女作を作る」と公言する巨匠の“新しい波(=ヌーヴェルヴァーグ)”の進化形と呼ぶべき本作は、フランスのみならずニューヨークでも大ヒットし、若い世代の熱い視線が注がれている。