ジャイアンツ(1956)


ジャイアンツ」とは主人公ビック・ベネディクトが大男であり

大物だというダブルミーニング

 

ジェームズ・ディーンの遺作として有名ですが

主役はエリザベス・テイラーロック・ハドソン

息子役で若かりし日のデニス・ホッパーも見どころ

 

テキサスの雄大な自然を舞台に

ある一家の30年に渡る人生を描いた大河ドラマ

人種差別や女性差別という問題提起もしています

 

家長を張る誇り高いテキサス男、ビッグに一目惚れした

東部の名門の娘でリベラル派のレズリー

ふたりは早速結婚し、ビッグの牧場で暮らすことになります

そこにいたのはちょっと辛辣な独身女である姉のラズと

ビッグと対立している牧童のジェットでした

 

この長い作品で一番心を揺さぶられたのが

馬の射殺ですね(次点七面鳥

馬を愛し、やさしく接するレズリーに対し

テキサス人は力ずくで調教しようとします

結果ラズは落馬してしまい、馬は殺されてしまう

 
 
姉は弟の都会的で洗練された美しい妻に

嫉妬しての行為だったのでしょう

 

ラズの遺産として、ジェットは土地の一部を譲り受けます

そしてそこから掘り当てた油田で

アメリカでも屈指の大富豪になっていくのです

 

だけどレズリーにとらわれて

誰も愛せず不幸になるしかない男

ついにはレズリーの娘まで口説いてしまう

 

原作は「シマロン」(1931)と同じエドナ・ファーバー

自分勝手で我儘な夫を、しっかり舵を取り支え続け

決してブレない、という展開は似ていますね

 

この作品でも時に夫を「boy」と呼ぶ余裕がいいです

間違ってることに対してはっきりNOを押し通し

30年かけて夫の調教完了()

女性が描いた、理想の女性像

 

2005年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登記
200分という長さは見るのに勇気が必要でしたけど(笑)
さすがの名作でございました

 


【解説】allcinemaより

テキサスの大牧場主のもとに、東部の女性が嫁いできた。東部と西部の気質の違いから、彼女は当初から苦労を強いられる。やがて二人の子供も成長し、親もとから巣立っていく……。テキサスの雄大な自然を舞台に、ある一家の30年に渡る人生を描いた大河ドラマ。40周年を記念して音質・画質を復元された本編に映像特典を加えた「特別版」のビデオも有り。