ストレイト・アウタ・コンプトン(2015)




N.W.A.(エヌ・ダブリュ・エー)は、1986年にアメリカのカリフォルニア州コンプトンで結成された、ヒップホップグループである。名称はNiggazWit Attitudes(主張する黒人たち)の略 ウィキペディアより


ギャングスタ・ラップというジャンル
私はヒップホップについては完全素人なので
N.W.A.は名前を聞いたことがある程度の知識しかありませんでしたが
言論の自由を盾に、権力に挑戦するという紛争理論をし
世界的にラップをメジャーにしたグループであるということ
ラップを知るうえで、まあまあ面白かったです





1986年、カリフォルニア州コンプトン
貧困と差別と犯罪が渦巻くスラム街
人種差別、警察による暴力、銃や麻薬による犯罪の蔓延蔓延
若者たちは黒人だからという理由だけで
逮捕の理由を見つけようとする腐敗した警察官に怒っていました

そんな社会問題に対して5人の若者

エリック/イージーE(ジェイソン・ミッチェル)
ドクター・ドレー(コーリー・ホーキンス)
アイス・キューブ(オーシェア・ジャクソン・Jr)
MC・レン

DJイェラが、音楽で問題提起を投げかける
過激な歌詞をノリのいい曲にのせて歌う、それがラップ

ファースト・アルバム「ストレイト・アウタ・コンプトン」を発表し
中でも人気となった「ファック・ザ・ポリス」は
FBIから警告が届いたほど警察を批判したものでした





そんな彼らの音楽に、これは売れると興味をもったのが
ユダヤ人であるジュリー・ヘラー
イージーEに自らマネージャーを名乗り出て
彼らの曲を見事ヒットさせます

複雑に増えていく人間と、お金と、そのお金に群がる亡者たち
そして酒池肉林の痴戯にふけっていきます



やがてギャラの配分でもめ、メンバー間の不協が生まれます
ジェリーは、イージー・Eのだけ可愛がっていたので
他のメンバーの不評を買い
ついにアイス・キューブがグループを離脱し、俳優に転向
その後、ドクター・ドレーも離脱、ソロアルバムを発表し成功します





イージー・Eは何とかN.W.A.を再度結成しようとしますが
病気になってしまいます
成り上がりミュージャンの行き着く先は、なぜか似ています


それにしても黒人たちが「バトル・ラップ」というだけあって
麻薬汚染など、ありのままの日常を吐き出し
怒りを爆発させたその歌詞の過激さには驚きます
しかしその歌詞こそがアメリカの持つ真実の一部

放送コードに抵触したものが多いので
日本版CDでは対訳も原詞も割愛されたそうです





現在でも、警察が目についた黒人を強制的に所持品検査したり
気に入らなかったら連行するという現実はなくなっていないのでしょう

それでも彼らのような時代を動かしたアーティストの活動で
少しづつでしょうが、黒人やマイノリティにも社会から目を向けられ
権利が尊重されてきているのではないかと思います(願います)




【解説】allcinemaより

アイス・キューブドクター・ドレー、イージー・Eらによって結成された伝説的ヒップホップ・グループ“N.W.A.”の誕生から崩壊、その後の顛末を巡る知られざる真実の物語を完全映画化した音楽伝記ドラマ。主役のN.W.A.メンバーは全員オーディションで選ばれ、アイス・キューブ役には実の息子オシェア・ジャクソン・Jrが抜擢されて話題に。共演はポール・ジアマッティ。監督は「交渉人」「BeCoolビー・クール」のF・ゲイリー・グレイ。
 1986年、アメリカ屈指の危険な街、カリフォルニア州コンプトン。暴力とドラッグがはびこるこの街では、黒人というだけで警察から容赦ない取り締りの対象となってしまう。そんな中、元売人のイージー・EはDJのドクター・ドレー、作詞ノートを持ち歩くティーンエイジャー、アイス・キューブらとともにN.W.A.を結成、自分たちの周りで起きている現実をラップにして世の中に訴えた。彼らの才能に目をつけたジェリー・ヘラーがイージー・Eと共同でルースレス・レコードを設立、たちまち大ブレイクするN.W.A.だったが、その過激なリリックで“世界で最も危険なグループ”とレッテルを貼られ、警察との対立も深まっていく。その一方で、グループ内部でもいつしか不協和音が生まれていくのだったが…。