リンカーン弁護士(2011)




大統領専属の弁護士になった人物の物語、ではなく()

リンカーン・コンチネンタルの後部座席で移動中に仕事をこなす

チョイ悪弁護士が主人公


ハラーマシュー・マコノヒー)は

お金のためなら強引な方法も厭わない弁護士

チョロくて大金が入る美味しい仕事が舞い込んできたと

喜んで引き受けたら、それはとんでもない案件でした



マシュー・マコノヒーの話す言葉に十分な余裕があり

会話のテンポもよく粋ですね

お抱えの運転手や、暴走族、警察や裁判所の職員

社会的弱者に対しても対等に接する姿には好感が持てます

彼の当たり役ではないでしょうか


そんな主人公の元妻役を演じるマリサ・トメイ

彼女はどの作品に主演しても、助演女優賞をあげたくなる女優さん

演技派だけど、色気に関してはペネロペ・クルスにも負けないと思います

彼女が出てる映画はハズレがないというのも高ポイントです


そして何といっても脚本の作りこみが素晴らしい
終盤での大逆転へのもっていきかたは見事でした





事件を調べていくうちに、過去に自分が担当した「ドナ殺人事件」で

有罪にしたマルティネスという男が実は無罪で

犯人は今回の依頼人であるルイスだったことを知ります


しかも今回依頼された女性暴行事件も、間違いなくクリスが犯人

しかし「秘匿特権」があるために

ハラーはルイスを告発することができませんし

証拠を開示することもできません

もし「秘匿特権」を破れば、弁護士資格を失ってしまうのです


しかし、このままだとルイスはまた無罪

マルティネスは冤罪を被ったままになってしまいます

ルイスを無罪にして、有罪にしなければならない

ハラーは苦悩します






そして検察がタレコミ屋のコーリスという反証人を立てることを利用し

コーリスの証言から過去にルイスが犯した「ドナ事件」を

警察に気付かせるのです


さらに検察側にコーリスの証言は偽証である疑いをかけさせ

今回の暴行事件についてルイスを「無罪」にします

ハラールイスとの「契約」を遂行したのです

そして新たに殺人事件の容疑者として逮捕させたのです






暴行事件が無罪になったので、被害者女性のことを思うと可愛そうですが

その代わりといっては何ですが、ルイスがボコボコにされるのは

やはり気分がよかったです(笑)


正直タイトルはダサいので、そそられませんでしたが(笑)

法廷ものが好きな方なら見逃してはいけない1本でしょう




【解説】allcinemaより

人気ミステリー作家マイクル・コナリーの同名ベストセラーを「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」のマシュー・マコノヒー主演で映画化した法廷サスペンス。多額の報酬目当てに資産家の息子の弁護を引き受けた異端弁護士が、思いもよらぬトラブルに巻き込まれていくさまとその顛末を緊迫感溢れる筆致で描き出していく。共演はマリサ・トメイライアン・フィリップ、ウィリアム・H・メイシー。監督は「ハード・クライム」のブラッド・ファーマン
 高級車リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代わりにLAを忙しく駆け回り、司法取引を最大限に利用して軽い刑で収める得意戦略で依頼人の利益を守るやり手弁護士、ミック・ハラー。ある時、資産家の御曹司ルイスの弁護というおいしい話が舞い込む。事件はルイスが女性を殴打し重傷を負わせたとされるもので、いつものように司法取引をまとめるだけで高額の報酬が舞い込むはずだった。ところが頑なに無実を訴えるルイスは司法取引を拒否し、ミックの戦略に狂いが生じ始める。さらにルイスが、4年前にミックの担当した殺人事件の真犯人としても浮上し、次第に自分自身が追い込まれてしまうミックだったが…。